2008 Fiscal Year Annual Research Report
キャンパス配電系統を活用した電力系統実証実験システムの構築
Project/Area Number |
18560273
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松木 純也 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (90089110)
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Keywords | 電力工学 / 電気機器工学 / モニタリング / 分散型電源 / 電力品質 / 配電 |
Research Abstract |
平成20年度に得られた結果は次の通りである。 (1)ネットワーク情報端末NCTを用いたキャンパス配電系統の2年間にわたる電力情報の収集を蓄積し、高調波、電圧不平衡、電流不平衡などについて、季節による変化の実態について、詳細な電力品質評価を行った。大学キャンパスは配電負荷の代表的なモデルの一つであるので、このような長期にわたる配電品質の測定結果は初めての貴重なデータである。 (2)昨年度に引き続き、模擬送電線設備とキャンパス配電系統のインターネットを介した統合的運用システムの構築とその問題点の検討を行った。すなわち、従来送電系統の課題と配電系統の課題は別々に論じられているが、元来一つの系統を構成している。したがって相互に影響し合うことになる。特に、高調波分布、電圧不平衡、周波数変動、安定度など、両系統を一体として論ずべき課題も少なくない。実験室模擬送電線系統では、従来、室内3相電源をいわゆる無限大母線とみなしている。しかし実際にはキャンパス配電系統の一部であり、完全な無限大母線ではない。また電圧不平衡もある。今回NCTを活用してキャンパス配電系統各所の電圧電流の状態を把握し、実験室内で発生した系統事故の影響が配電線内をどのように伝搬して行くか、また無限大母線の位置はどこかなどを明らかにした。これにより、実験実証システムとしての模擬送電線設備の精度も格段に向上することになる。 (3)熊本大学模擬送電線設備とのインターネットを介した遠隔連係へ向けての課題を検討し、一般のインターネット回線を利用するシステムは時間帯により大きな影響を受けるため、容易ではなく、何らかの専用回線が必要という結論となった。
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