2007 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイド静電誘導デバイスの限界性能の究明
Project/Area Number |
18560274
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
矢野 浩司 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (90252014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 勉 産業技術総合研究所, パワーエレクトロニクス研究センター, 招聘研究員 (10399503)
田中 保宣 産業技術総合研究所, パワーエレクトロニクス研究センター, 主任研究員 (20357453)
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Keywords | パワーデバイス / 炭化珪素 / 省エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、埋め込みエピタキシャル技術によって作製した埋め込みゲート型炭化珪素静電誘導トランジスタ(SiC-BGSIT)において、パワーエレクトロニクス応用におけるその限界性能を究明することを目的としている。本年度はまず、1200V,121mΩcm^2のSiC-BGSITを新たに試作することに成功した。作製工程において、トレンチ構造工程中に、これまで用いていたSF_6/O_2ガスの換わりにCF_4/O_2ガスを用いエッチングを行い、その後新たに犠牲酸化処理を導入した。これにより平坦なチャネル側壁および底部を実現している。本素子の特性はSiC材料の理論限界に近く、1200V級では世界トップクラスのスイッチングパワーデバイスの性能を有している。オフ時の漏れ電流は1000Vで2μA/cm^2であり、また入力電圧-12Vで出力電圧1200Vをオフできており(ブロッキングゲイン106)、電流制御性能も高い。 一方、BG-SITのスイッチング性能の改善に向けて、ターンオフ特性の3次元デバイスシミュレーションを実施した。その結果埋め込みゲート部の寄生抵抗が原因で、ターンオフ初期段階で外周ゲートコンタクトから離れたチャネル中央部でのチャネル閉塞が不十分であり、結果としてターンオフ時間が増加することが分かった。またこれが原因で、チャネル中央部に電流集中が起きていることも明らかになった。.ソース長に対するターンオフ時間依存性について検討し、ソース長50μmの素子のターンオフ時間は約40nsであり、ソース長250μm素子の約1/3倍に低減できることが予測できた。またシミュレーション結果は実験結果と良い一致を示している。 本研究の成果は、次世代の電力変換器の高効率化に資する重要な結果である。
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Research Products
(2 results)