2006 Fiscal Year Annual Research Report
列間絶縁を無くした大型超伝導マグネットの原理実証研究
Project/Area Number |
18560296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
今川 信作 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10232604)
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Keywords | 超伝導マグネット / 電気絶縁 / クエンチ保護 |
Research Abstract |
強度部材を保護抵抗とする超伝導マグネットの概念設計を進展させると共に、原理実証のための小型コイル試験体の設計を行った。列間絶縁を無くした超伝導マグネットの概念設計では、主に半径方向の電磁力を支えるため、強度部材を円盤形状として、超伝導撚線は強度部材の溝に固定する設計を提案している。ITERトロイダルコイルのラジアルプレートと似た構成であるが、列間絶縁が無いことが特徴である。層間には、電気絶縁と冷媒流路を兼ねて、セラミックス等の電気絶縁物が一定間隔で配置される設計となっており、浸漬冷却方式も選択可能となっているだけでなく、伝導冷却方式への変更も容易な構成である。遮断時には列間に電流が流れて強度部材が保護抵抗として働く設計である。 小型コイル試験体の設計においては,クエンチ保護の成立性を評価するために所定の磁気エネルギーが必要であるため,外形100mm程度のソレノイドコイルを選択した。超伝導線には定格200A程度の銅比の小さなNbTi線を使用する。冷却方式は浸漬冷却とするが,遮断時の温度上昇を評価するためには巻線部を周囲のヘリウムから断熱する必要があるため,巻枠には繊維強化プラスチックを採用した。列間絶縁無しのコイル試験体では,裸のNbTi線の間にSUS板を挟み込んで巻線することによって適当な電気抵抗を確保する設計とした。絶縁有りのコイル試験体では,ホルマール絶縁されたNbTi線を使用する計画である。局所的な常伝導転移を発生させた場合の伝播の様子および励磁時の短絡電流を調べるために,巻線部には温度計と電圧タップおよびヒータを取り付ける。 平成18年度はコイル試験体の設計と部品製作までを実施した。平成19年度に試験体の組立と冷却・励磁試験を計画している。
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