2006 Fiscal Year Annual Research Report
高機能ニオブ酸カリウム圧電薄膜の作製と広帯域・低損失弾性表面波フィルタへの応用
Project/Area Number |
18560302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
垣尾 省司 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (70242617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 恭彦 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (50006277)
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Keywords | ニオブ酸カリウム薄膜 / 高周波スパッタ / 弾性表面波 / 弾性表面波フィルタ / エピタキシャル成長 / 圧電薄膜 / 配向性薄膜 |
Research Abstract |
本年度は、高機能な弾性表面波基板構造を得るためにLiNbO_3基板上にニオブ酸カリウム(KNbO_3)薄膜を作製することを目指して、高周波スパッタ法による良質なKNbO_3薄膜の作製とその評価、LiNbO_3上へのエピタキシャル成長面の作製、およびKNbO_3/LiNbO_3基板構造上の弾性表面波伝搬特性について検討した。 1.高周波スパッタリング装置を用いて成膜条件の最適化を目的とし、主に基板温度やターゲットを変えて、MgO基板上へKNbO_3薄膜を作製し、その配向性をX線回折パターンにより、組成比をXPSによりそれぞれ評価した。その結果、混合ターゲット(75:25mol%)を用いた一元スパッタでは、基板温度を下げて成膜すると、K/Nb比と配向面間隔は改善されるが、配向性は劣化することを明らかにしている。また、K-リッチターゲットにより良好な配向性と比較的大きなK/Nb比が得られることを明らかにした。さらに試料に電極を装荷し、分極処理を行った結果、変位電流の観測に成功したが、圧電性の確認には至っていない。 2.LiNbO_3基板上へのエピタキシャル成長面の作製について検討した。まずカリウム交換による作製を検討し、処理温度が高いほどカリウムは深くまでドープされること、K/Nb価比も大きいことを明らかにしている。次に、熱処理によるLi_2O外拡散によりLiNbO_3上に斜方晶KNbO_3(200)に近い面間隔をもつ面が形成されることを明らかにし、エピタキシャル成長面としての可能性を示した。 3.LiNbO3上に理想的にKNbO_3成長した構造に対して弾性表面波特性の理論解析を行った結果。Z-cut LiNb0_3基板上,レイリー波の電気機械結合係数は膜厚に対して増加すること.Y-Cut LiNbO_3基板上におけるリーキー表面波の伝搬減衰は膜厚に対して減少することを明らかにした。
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