2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野見山 輝明 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60274859)
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Keywords | 光蓄電池 / 電解酸化 / 表面改質 / 光蓄電池ペーバ |
Research Abstract |
本課題は光で充電できる光蓄電池ペーパの開発を目的にしている。初年度(平成18年度)は光蓄電効率を上げるために、酸化チタン/カーボンファイバ(CFs)電極を酸性溶液中で電解酸化することで表面改質を行った。また、反応機構解明のための光応答インピーダンス測定装置の作製の一環として、周波数変調された半導体レーザ光をプローブ光とした光電気化学反応生成物のin situ定量装置を作製した。これらにより以下の成果を得た。 (1)硫酸中で電解酸化処理を行うことで表面積が増大し、その後の熱処理により硫酸成分の分解とともにダングリングボンドの形成が起こることがわかった。 (2)ダングリングボンドの形成により、リチウムイオンとCFsの蓄電反応の活性化エネルギーが低くなり、光蓄電効率が向上することがわかった。 (3)硫酸と硝酸の混酸中で電解酸化したCFs電極は、表面に島状の反応生成物が観察された。同様の処理を施した酸化チタン/CFs電極では光蓄電効率が大きく向上し、フラットな放電特性を示すことから、混酸中での酸化処理が非常に効果的であることがわかった。 (4)光電気化学反応生成物のin situ定量により、酸化チタン/CFs電極の光蓄電過程において、ホールがリチウムイオンの溶媒和を取り去り、蓄電反応を促進していることが示唆された。 現状で混酸中でのCFsの酸化による生成物の組成や詳細な生成条件は明らかではない。これらを詳細に検討することで、更に光蓄電効率が向上すると考えられる。また、ホールが光蓄電反応に大きく寄与していることから、より効果的なホール蓄積・輸送を期待してCFsを導電性高分子ポリアニリンとする発想を得た。この発想に基づき新たな光蓄電電極として酸化チタン/ポリアニリン複合電極の工業使用権(特許)を出願した。
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