2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560313
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
長友 隆男 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 教授 (70052868)
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Keywords | 薄膜・量子構造 / 光触媒 / 可視光応答 / 高周波スパッタ法 / 表面構造と光触媒活性 / 光活性種 / 結晶構造と光触媒活性 / 酸化物半導体 |
Research Abstract |
本研究では、酸化チタン(Tio_2)以外の酸化物半導体、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTio_3)や酸化タングステン(WO_3)などを高周波スパッタ法によって薄膜形成を行い、可視光応答する光触媒活性な酸化物半導体薄膜を得ることを目的として研究を進めた。SrTio_3はペロブスカイト型の誘電体材料として馴染みなものであり、そのエネルギー帯構造(価電子帯のトップと伝導帯の底(水の分解に係る))は酸化チタンとほぼ同じにも係らず、光触媒活性な材料として開発されて来なかった。平成18年度は、スパッタ用高周波電源のトラブルに見舞われ、製膜条件を確立するまでには至らなかった。平成19年度は、19年1月に新たに購入したスパッタ用高周波電源をフル稼働させ、SrTio_3薄膜の作製を行った。チタン酸ストロンチウムの薄膜は、酸化物粉末を出発原料として、高周波スパッタ法を用いて、基板温度200〜400℃、スパッタガス(Ar+0_2)圧1Paのスパッタ条件下でパイレックスや石英のガラス基板上に堆積させているが、アズデポ(as-depo,堆積したまま)では非晶質である。アズデポの薄膜は酸化炉中で約1000℃でアニーリングすることによって、ペロブスカイト型の結晶構造をもつSrTiO_3多結晶薄膜(格子定数a=3.91A)になる。作製したSrTio_3薄膜に短波長の光を照射すると、僅かではあるが光触媒活性を示しているが、まだ、スパッタ条件やアニーリングの最適化を行っていない。作製したSrTio_3多結晶薄摸はアンドープであり、Rh,Irなどの元素をドープすることによって可視光で光触媒活性な薄膜を形成することが期待できる。
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