2007 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性ポリマーにナノ蛍光体粒子を分散させた新規蛍光体と大面積表示パネルへの展開
Project/Area Number |
18560316
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
會澤 康治 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 准教授 (40222450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 衛一 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (90410290)
宮田 俊弘 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30257448)
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Keywords | 強誘電体ポリマー / 蛍光体粒子 / 分散型EL素子 / 残留分極 / EL発光 / スピンコート |
Research Abstract |
平成19年度は以下に示す各研究項目について研究を実施した。 (1) ナノ蛍光体粒子を分散させたPVDF膜およびPVDF-TrFE共重合体膜の評価 (2) (1)の膜を用いたEL素子の作製と電気的特性評価 上記研究項目についての具体的な研究成果を述べる。19年度の最初には、透明導電膜(In-Sn-O)付きガラス基板上にZnS:Mn:Cu系蛍光体粒子が分散したPVDF膜およびPVDF/TrFE(75/25mol%)共重合体膜を形成した。実験では、PVDF(あるいはPVDF/TrFE)と蛍光体粒子をアミン系溶媒(ジメチルホルムアミド)中に5重量%の濃度で溶かした溶液を基板上に滴下・スピンコートした後、膜の結晶化のための真空中140℃、1時間の熱処理を行った。作製した試料の一部には、電気特性評価のための金属電極を形成した後、電気的特性および光学特性の評価を行った。 実験結果では、PVDF/TrFE共重合体膜に蛍光体粒子を分散させた試料は分散率が低い(4.7%)にも関わらず、分散率が15.7%のPVDF膜を使用した試料とほぼ同程度の発光強度であった。分散率を考慮して発光輝度を比較したところ、PVDF/TrFEを用いた試料の方がPVDFを用いた試料よりも発光輝度が約3.4倍増加することを確認した。測定結果の一例として、周波数1kHz、電圧300Vの正弦波交流を印加した所、発光輝度32.7cd/m^2、通過電荷量1.7μC/cm^2が得られた。 ここまでの成果を用いて、次にPVDF/TrFE膜中に蛍光体粒子を破砕して作製したナノサイズの蛍光粒子を分散させた試料を作製したところ、膜中を流れる漏れ電流を約1/600に低減できることが新たに分かった。しかし、この試料はEL発光をほとんどしなかった。これは蛍光体表面に形成された欠陥を除去できなかったことが原因と考えている。しかしこの問題は、化学的処理により表面欠陥を取り除くことで解決できると考えており、現在も実験を継続して行っている。 以上の結果から、本年度の目標は当初の計画をほぼ達成できたといえる。
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Research Products
(3 results)