2008 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性ポリマーにナノ蛍光体粒子を分散させた新規蛍光体と大面積表示パネルへの展開
Project/Area Number |
18560316
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
會澤 康治 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 准教授 (40222450)
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Keywords | 分散型EL素子 / 強誘電体ポリマー / ナノ蛍光体粒子 |
Research Abstract |
本年度は、今までの研究成果をべースに大面積化に適した(1)絶縁層の形成と(2)発光領域500mm^2以上の分散型EL素子の作製および(3)ナノ蛍光体粒子を分散させたEL素子の作製を行った。(1)に関しては、スパッタ法で形成した酸化チタン(TiO_2)とゾルゲル法で形成したストロンチウム・ビスマス・タンタル複合酸化物(Sr-Bi-Ta-O)が有望であるとの結論を得た。TiO_2膜の場合、室温堆積後、空気中350℃の熱処理を行うことで透明導電膜(ITO)付きガラス基板上に体積抵抗率10^<14>〜10^<15>Ωcmの絶縁膜が得られた。またSr-Bi-Ta-O膜の場合、乾燥200℃・仮焼成400℃の熱処理によって比誘電率が約70、絶縁破壊電界強度が200kV/cm以上の絶縁膜をITO/ガラス基板上に形成できた。(2)に関しては、絶縁膜に比誘電率が大きく絶縁耐圧がTiO_2よりも優れるSr-Bi-Ta-O膜で検討を行った。ITO/ガラス基板上にSr-Bi-Ta-O膜を形成した後、濃度10wt%でZnS: Cu蛍光体を分散させ強誘電体ポリマー(PVDF)溶液(DMF溶媒、濃度18wt%)を用いてスキージ法により蛍光体層を形成した。その上に面積25×22mm^2のアルミニウム添加酸化亜鉛透明導電膜をスパッタ法で形成したEL素子を作製した。作製したEL素子は周波数1kHz,印加電圧20-60Vの範囲で安定に発光(中心波長500nm)した。(3)に関しては、CdSe/ZnSナノ蛍光体粒子(粒径<10nm、励起波長470nmにおいて波長620nmのPL発光)をZnS: Cu/PVDF蛍光体層に添加したEL素子を作製した。その結果、溶媒に対する原料濃度をPVDFで7wt%、ZnS: Cuで28wt%、CdSe/ZnSナノ粒子で2wt%とした場合、ナノ蛍光体粒子からの発光を確認した。白色光を得るにはナノ蛍光体濃度を更に高めることが必要であるが、当初の研究目的である強誘電性ポリマーにナノ蛍光体粒子を分散させた蛍光体の開発と大面積表示パネル応用に対する知見が本研究によって得られたと考えている。
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Research Products
(13 results)