2008 Fiscal Year Annual Research Report
高イオン導電性ゲル電解質で構成された色素増感太陽電池素子の高効率・長寿命化
Project/Area Number |
18560322
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
京兼 純 Akashi National College of Technology, 校長 (50043469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 保雄 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (50188596)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / イオン性液体 / フッ素系ゲル電解質 / ポリエチレングリコールゲル電解質 / 逆電子移動 / ピリジン / ミクロ相分離構造 |
Research Abstract |
平成20年度は昨年度に引き続き、逆電子移動反応と新規にポリエチレングリコールゲル(PEG)電解質を作成し、変換効率の向上等に向けて実施したもので、得られた成果は以下のとおりである。 1.ピリジンを導入したフッ素系ゲル電解質のイオン導電率は7×10^<-2>[S/cm]まで向上し、ピリジンとMp-3がフルオロアルキル基の分子鎖中で、オリゴマー分子との相互作用によって効果的にミクロ相分離構造を形成したと考えている。 2.PEGゲル電解質ではミクロ相分離構造が発現せず、大きいイオン導電率の特性向上には繋がらなかった。これは両者のゲル化の相違である分子構造に起因していることが明らかとなった。 3.逆電子移動抑制によるPEGゲル電解質の色素増感太陽電池(DSC)素子の諸特性は、イミダゾリウム系イオン性液体(1-butyl-3-methyl imidazolium tetrafluoroborate)の分子構造とその濃度に著しく依存することが分かり、濃度が20[wt%]のときに最も良い結果となった。 4.ピリジン添加型フッ素系ゲル電解質は、溶媒として用いたDMSOとMp-3の混合割合に対して著しく依存し、色素増感太陽電池(DSC)素子はDMSOとMp-3の混合比が9:1の時に高い変換効率が得られた。DSC素子の各種特性値は以下の通りとなっている。 5.フッ素系ゲル電解質のDSC素子の諸特性は、開放電圧Voc=0.6[V],短絡電流Jsc=5.8[mA/cm^2],Fill Factor=FF=0.56,変換効率η=4.5[%]となった。またPEGゲル電解質のDSC特性は、Voc=0.69V、Jsc=5.1 mA/cm2、FF=0.56、η=3.4%。であった。特にフッ素系ゲル電解質の変換効率は、研究開始時に比べ2倍程度まで向上し、当初の目標値(変換効率η=5[%])に近づけることが出来た。
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Research Products
(4 results)