2007 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン分割型線路を用いた送信用超伝導フィルタの開発
Project/Area Number |
18560325
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大嶋 重利 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (40124557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 敦 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70313567)
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Keywords | 超伝導フィルタ / 超伝導薄膜 / 携帯電話基地局 / 無線通信 / NbN薄膜 / 電磁界シミュレーション / YBCO薄膜 |
Research Abstract |
次世代高速無線情報通信用の送信用超伝導バンドパスフィルタを開発するために、平成18年度から、次の事項を集中的に検討している。 (1)ストリップ線路の耐電力向上を目指し、分割型マイクロストリップ線路の有効性の実証 (2)送信用超伝導バンドパスフィルタの設計・試作・評価 バンドパスフィルタを構成するマイクロストリップ線路の耐電力特性を向上させるためには、線路端に集中して流れる電流を如何に低減させるかが重要なポイントであると我々は考えている。それを検証するために実験を行い、平成19年度では、次の様な成果を上げることができた。 (1)に関しては、電磁界解析ソフトを用い、分割型マイクロストリップ線路と通常の線路の電流値を比較し、分割した線路の方が、線路端の電流集中が約30%低減することを見出した。また、電流の逓減率は分割数と分割間隔に依存することも明らかにした。この結果は、分割線路を用いてバンドパスフィルタを作製すると、通常の線路で作製したフィルタよりも耐電力が向上することを意味しており、研究目的に合致した成果を得た。 (2)に関しては、NbN薄膜を用いて、分割線路のバンドパスフィルタと通常線路のバンドパスフィルタを設計・試作し、分割型線路の優位性を実験的に明らかにすることを検討した。設計したフィルタは、3段くし形フィルタである。2種類のフィルタの耐電力特性を比較した結果、分割線路を用いたフィルタの方が約2dB耐電力が向上することを見出した。その値は、ストリップ線路端の電流集中の低減で説明できる。この成果を基に、20年度には5〜10Wの耐電力を持つ超伝導フィルタの開発を目指す。
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[Presentation] Power handling Capability Improvement of HTS Filter with Slotted Microstripline Resonators2007
Author(s)
S. Takeuchi, M. Osaka, H. Kinouchi, S. Ono, A. Saito, A. Akasegawa, A. Kawakami, K. Yamanaka, K. Kuri-hasi, S. Hirano, S. Ohshima
Organizer
International Symposium of Superconductivity Conference (ISS2007)
Place of Presentation
日本 つくば市
Year and Date
20071105-07
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