2008 Fiscal Year Annual Research Report
新材料及び新構造MOSFETの準バリスティック量子輸送モデリングに関する研究
Project/Area Number |
18560334
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土屋 英昭 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (80252790)
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Keywords | ナノスケールMOSFET / バリスティック輸送 / 量子補正モンテカル法 / 量子効果 / 高移動度チャネルMOSFET / 電流駆動力 / ナノワイヤトランジスタ / ウィグナー関数法 |
Research Abstract |
半導体集積回路は,高度電子情報処理附会を支える上で最も基盤となるハードウェア技術であり,近未来での実現が予想されているユビキタス社会の根幹を担うキー・コンポーネントとしても,その高性能化・高機能化が引き続き強く求められている。本研究では,この半導体集積回路の最小構成ユニットであるSi MOSFETのポストスケーリング時代における新材料及び新構造MOSFETの性能予測と最適素子構造設計について研究することを目的としている。 平成20年度は,昨年度に開発した量子補正モンテカルロシミュレータ(MONAQO)を用いて,ソース・ドレイン電極部に金属材料を導入したショットキーS/D MOSFETのバリスティック輸送特性について研究を行った。その結果,ショットキーS/D MOSFETは,チャネルのソース端に形成される空間的に急峻なショットキーバリアにより,従来のPN接合型MOSFETに比べると,ソースへの後方散乱が抑制されバリスティック効率が向上することを,世界で初めて実証することに成功した。 また,SiナノワイヤFETの3次元量子輸送シミュレータの研究では,ウィグナー関数法の計算精度を改善することに成功し,これにより,サブスレッショルド電流領域でのソース・ドレイントンネル電流の影響を正確に評価することが可能となった。具体的には,ゲート長が6nm以下にまで微細化されると,ソース・ドレイントンネリングが顕著に起こりはじめ,古典的シミュレーションでは,微細化最小ゲート長を約1nm過小予測することを明らかにした。
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Research Products
(10 results)