2008 Fiscal Year Annual Research Report
誘電率あるいは透磁率が負から正の値まで電気的に可変なメタマテリアルの研究
Project/Area Number |
18560336
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
久保 洋 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50205126)
|
Keywords | 人工媒質 / 左手系媒質 / 左手系線路 |
Research Abstract |
多層の格子状パターンで構成される媒質とスタブを利用した導波管型左手型線路においてその等価的誘電率あるいは透磁率の可変性について検討した. 多層格子状パターン媒質の等価回路において並列のインダクタンスとなる金属パターンに容量可変素子を接続することで,左手系モードの分散カーブを周波数軸上で電気的にシフトさせる媒質構造を提案した.この媒質へ入射する平面波の透過係数と反射係数から計算した媒質の等価誘電率が容量可変素子の値により負から正の値まで変化することを数値的に確認した.この性質は電磁波の透過あるいは遮断を切り替える媒質への応用が可能である。またスタブを利用した導波管型左手型線路においては,その等価回路において直列に入るリアクタンスを変化させて左手系モードと右手系モードの分散特性を周波数軸上でシフトさせる構造を提案した線路の等価回路におけるこれらのリアクタンスは1次元媒質としての透磁率と誘電率に相当するもので,これらの分散カーブが移動することは等価的誘電率と透磁率が負から正の間で変化することに相当する.導波管中に挿入した誘電体の位置と右手系モード及び左手系モードの分散特性の関係を調べ,二つのモード間のバンドギャップが消えたまま二つの分散カープが移動するような特性を実現した,このように分散特性を変化させるには,二つのリアクタンスを調整する必要があるが,ここでは一つの誘電体の位置を変えるだけで可能にしたことに特徴がある.これにより透過する波の位相を正から負まで大きく変化する位相可変線路が実現できた.
|
Research Products
(6 results)