2006 Fiscal Year Annual Research Report
高融点金属ゲートAlGaN/GaN HFETに関する研究
Project/Area Number |
18560337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
敖 金平 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (40380109)
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Keywords | AlGaN / GaN HFET / 高融点金属 / 耐熱ゲート / 高温動作 / セルフアライゲート / ショットキー接触 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高温動作やセルフアライゲートのAIGaN/GaN HFETを目指し、高融点金属によるゲート、オーミック電極の形成とアニール過程における界面反応、電気特性の研究を行うことである。 n-GaN上に数種類の金属のショットキーダイオードを作った。オーミック電極としてスパッタ装置を用いてTiAl/Al/Ti/Auを50/200/40/30nm蒸着し、窒素雰囲気中で850℃、30秒間のアニールを行った。その後、スパッタ装置(DCとRF)を用いて、Arの雰囲気中、通常のゲート金属Ni, Cuと、高融点金属のIr, Pt, Rh, Ruをゲート金属成膜し、その膜性質とダイオードの評価を行った。次に、Arと窒素の混合ガス雰囲気中金属の窒化物膜TaN, TiN, HfN, ZrNをスパッタ装置で成膜し、その膜性質とダイオードの評価を行った。 HfNとn-GaNはオーム性接触が現れた。他のダイオードはすべてショットキー接触であり、理想因子は1.12〜1.31である。Ni, Cu, Pt, Rh接触の障壁はほぼ1eVであり、Ir, Ruと金属の窒化物の障壁はほぼ0.8eVであることが分かった。各サンプルを室温から200度まで動作特性を測ると、TaNダイオードのリークの増加は大きく、他のダイオードのリークも一桁程度増加した。NiゲートHFETを500℃まで測定したら、ゲートの制御が効かなくなり破壊したようだ。 各サンプルを300度から900度まで窒素中30秒アニールし、室温に戻って測ると、TaNとHfNのリークはもともと大きく、一部のダイオードのリークもある程度増加した。但し、800度アニール後、TiNデバイスはほぼ変化がなかった。ZrNのリークは800度アニール後2桁程度減少した。障壁は低温の0.66eVから0.77eVに増加し、理想因子も低温の1.16から1.06になった。TiN, ZrNは高温デバイスのゲートとして有望であることが見られる。 窒化物TiN, ZrNを用いてAIGaN/GaN HFETを製作し、デバイス特性を調査した。TiN, ZrNの抵抗率はそれぞれ117.6Ωμcm、475.7Ωμcmである。完成したデバイスを850℃、30秒間のアニールすると、特性が変わらなく、ゲートリークが減少したことが分かった。現在、TiN, ZrNを用いたデバイスの高温動作も評価している。 セルフアライゲートAIGaN/GaN HFETを研究するために、ゲート先のデバイスを試作した。TiN, ZrNを完成してから、Ti/Al/Ti/Au金属をつけた。次にオーム接触になるため、サンプルを一斉に850℃、30秒間アニールした。完成したデバイスが正しく動作することを確認した。 現在、SEM、XRD及びSIMSを用いて、ZrN, TiN膜と高温処理した膜の性質を評価している。高融点材料W, WTi, WSi, MoSiの研究も始まっている。
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