2006 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導カオスジェネレータ「ジョセフソン・テトロード」の秘匿通信応用
Project/Area Number |
18560345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
吉森 茂 拓殖大学, 工学部, 教授 (00167024)
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Keywords | ジョセフソン接合 / ジョセフソン・テトロード / 秘匿通信応用 / DCマグネトロンスパッタ法 / ボルツマン輸送方程式 / 電子力学 / スパッタ率 / ターゲット構造 |
Research Abstract |
ジョセフソン・テトロードの実現のためには、良質の超伝導薄膜作製技術の確立が急務である。本年度においては、Off-Axial DCマグネトロンスパッタ法による超伝導薄膜の作製について、電子力学的考察を行った。また、ボルツマンの輸送方程式を用いた解析も行った。 Off-Axial DCマグネトロンスパッタ装置をモデル化し、Arイオンに関する運動方程式を導き、境界条件の下で解を求め、その結果からArイオンの運動量を求め、スパッタ率等を計算した。以下にその結果をまとめる。 (1)電子力学的解析により、ターゲットの中央部分や周辺部分よりも印可磁束密度ベクトルがターゲットに平行な部分がエロージョン領域となり、高速にスパッタされることが明かになった。また、印可電圧・磁束密度の強度とスパッタ率の関係を解析した結果、印可電圧の増加とともにスパッタ率も増加することが分かった。 (2)スパッタ中のArイオンは高温になるため、Arイオンの速度(運動量)は平衡状態からずれて非平衡状態となり、ターゲットに与えられるArイオンの運動量をより正確に見積もるためには、ボルツマンの輸送方程式を用いる必要がある。そこで、印可電界及び印可磁束密度の影響だけを考慮するいわゆるドリフト項のみを取り入れて、ボルツマン方程式から速度分布関数のずれを求めた。その結果、スパッタ率がほぼ1/2に減少することが明らかになった。
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