2006 Fiscal Year Annual Research Report
90nmCMOS世代における低電圧アナログ回路技術の研究
Project/Area Number |
18560346
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
杉本 泰博 中央大学, 理工学部, 教授 (00245987)
|
Keywords | 電流モードA / D変換器 / 90nmCMOSプロセス / 低電圧 / 低消費電力 / 集積回路 |
Research Abstract |
1.VDEC殿の御好意により、90nmCMOSプロセスで電流モード12ビットA/D変換器ICを試作し、その#1サンプルを2006年5月に入手した。 2.2006年5月〜6月にかけて#1サンプルの初期評価を行ったところ、動作している様子であったので早速評価基板の作成に取りかかった。 3.2006年7月〜10月にかけて評価基板の作成を行うと共に、評価用測定器であるロジックアナライザ(アジレント社製16903Aおよび16950A)を導入した。 4.2006年11月より、評価基板およびロジックアナライザを用いてIC特性の評価を開始した。現在までに得られている特性は、 電源電圧2V、8ビット精度、25MS/sおよび約48dBの信号対雑音比(SNR)、歪は約50dBである。 5.目標は、電源電圧2V、10ビット以上の精度、100MS/sおよび約60dBの信号対雑音比(SNR)、歪は約60dB以上であるから、4項の結果は目標に未達である。 6.ただし8ビット精度、数十MS/s動作のA/D変換器は、実際に映像関連の機器に多用されており、電流モードという回路形式でこのレベルに達した事の意義は、新しい回路方式を実現したという意味で、大きいと思われる。 7.しかしながら目標は未達であるから、その原因を探り修正の方向性を出さねばならない。2007年度はこの分析および修正設計に充てる所存である。 8.研究発表であるが、未だその段階には達していない。電子情報通信学会英文論文誌に投稿中の論文が1編あるが、現在条件付採録の状況であり確定はしていない。また、現在までに得られている成果に関し、これから国際学会などに投稿を予定しているところである。
|