2007 Fiscal Year Annual Research Report
非可視光領域で動作する新規有機ナノ構造光学材料の開発
Project/Area Number |
18560354
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
大谷 直毅 Doshisha University, 工学部, 准教授 (80359067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 太郎 浜松ホトニクス株式会社, 中央研究所第一研究室, 部員 (80393924)
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Keywords | 有機EL / 紫外線 / 量子井戸 / 有効質量 |
Research Abstract |
紫外線や赤外線の非可視光領域で動作する有機EL素子の実現を目的とし、多層膜構造や量子井戸構造における物性を明らかにしながら発光特性の改良を試みた。その結果、二つの低分子系材料DCMとTPDから成る多重量子井戸構造において、量子サイズ効果と考えられる発光波長の短波長化が観測された。発光波長からキャリアのもつ量子準位を計算し、そのデータから有機半導体中の電子の有効質量を約0.5m_0と見積もることに成功した。一方、高分子系材料では紫外領域に吸収係数の最大値を持つPCAという材料に着目した。PCAの蛍光スペクトは三つの波長395,510,650nmピークを持つ物質であるので、電流注入によって395nmの発光サイトへキャリアを効率良く注入する素子構造を検討した。その結果、正孔注入層など導入する多層構造によって510nmのELを実現した。更に、PCAに正孔輸送材料であるTPDをドープするとTPDが40wt%のときに発光波長が最も短波長化し400nmとなり、同時に発光強度も最大になることを明らかとした。 これらの成果から、多重量子井戸構造により発光波長を人工的に制御できること、そして高分子系有機ELによって紫外発光が実現されることが明かとなった。高分子紫外線有機ELは白色光源の励起に応用可能で、印刷技術で作製可能なフレキシブルな白色光源の実現が可能となる。成果は論文4本投稿中であり、そのうち2本は採択決定となり平成20年度中に出版予定である。また、高分子紫外線EL素子に関しては特許願準備中である。
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Research Products
(1 results)