2008 Fiscal Year Annual Research Report
周波数領域時空間符号化送信ダイバーシチに関する研究
Project/Area Number |
18560362
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安達 文幸 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (90323055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 栄亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80344696)
|
Keywords | 時空間符号化 / 等化 / 移動無線システム / パケットアクセス / 移動無線ネットワーク |
Research Abstract |
分散配置された多数のアンテナと各ユーザとが通信する分散アンテナネットワーク(DAN)は, 無線セル周辺の伝送品質を改善し, エリア内で均質な伝送品質を実現できる有望な無線技術である. DANへの適用を念頭にして送受信ダイバーシチおよびパケットアクセス技術に取り組んだ. 以下に主要な研究成果をまとめる. 1. 送受信ダイバーシチ (1)最大比送信ダイバーシチ(MRTD)を用いる孤立セルDANでは, 分散アンテナ数を増やすにつれてチャネル容量を改善できるが, 移動端末近傍の5本程度のアンテナを用いれば, 無限本のアンテナを用いるときにほぼ近いアウテージ確率を達成できることを明らかにした. (2)同一周波数を距離の離れたセルで再利用する, MRTDを用いるセルラーDANでは, 分散アンテナ数を増やすにつれてセル端近傍の受信信号対干渉電力比(SIR)を改善でき, 従来のセルラーシステムよりも高い周波数利用効率を達成できること, また, 干渉リミテッド環境下では, 送信電力制御は周波数利用効率の向上に寄与しないことを明らかにした. (3)空間符号化送受信ダイバーシチ(STBC-JTRD)にハイブリッドARQを適用したときのスループット特性を計算機シミュレーションにより求めた. 従来の時空間符号化送信ダイバーシチ(STTD)では送信アンテナ数を増やすと符号化率が低下するが, STBC-JTRDでは符号化率の低下はなく, STTDより高いスループットを達成できることを明らかにした. 2. パケットアクセス 無線パケット通信では, パケット衝突が発生しても, 受信電力の大きなパケットが生き残るキャプチャ効果が得られる. 制御されたキャプチャ効果を得ることができるランダム送信電力制御(TPC)と周波数領域等化(FDE)を併用したときのパケットスループットを求め, FDEを用いればパス間干渉を抑圧できるので拡散率を小さな値に設定でき, 大きなスループットが得られることを明らかにした.
|