2006 Fiscal Year Annual Research Report
高音質・高速収束ステレオエコーキャンセラに関する研究
Project/Area Number |
18560371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平野 晃宏 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (70303261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 謙二 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00207945)
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Keywords | エコーキャンセラ / 多チャンネル / 不確定性 |
Research Abstract |
1.2種類のステレオエコーキャンセラ(SEC)を組み合わせた高速収束アルゴリズムの開発 不定解の分布解析を行った。時間領域においては、多次元空間での解析が必要であり、実用的とはいえない。周波数領域においては、2個の互いに異なる不定解を推定すれば、不定解全ての分布範囲を特定できることが判明した。4元連立方程式を解くことにより、不定解分布の理論式を特定できる。 さらに、2人の話者に対する不定解が求められると、最適解を推定できることが判明した。4元連立方程式を解くことにより、周波数領城における最適解を推定できる。 2個のSECを用いて最適解を推定する方式を開発した。初期値の異なる2個のSECを用いて、2個の不定解を同時に推定する。その際、独立性の高い不定解を得るためには、適切な初期値を設定する必要があることが判明した。独立性の低い不定解の組を用いると、最適値の推定精度が劣化する。 この問題を解決するために、定期的に不定解の独立性を判定し、独立性が低い場合には初期値を再設定する方式を開発した。周波数領域に変換して不定解間の距離を測定し、閾値以下である場合には初期値を再設定する。初期値としては現在の推定ベクトルと直交するものを選ぶことにより、独立性を高める。 初期値の再設定により、最適値の推定精度を高めることができた。しかし、まだ十分なエコー消去量が得られないため、さらなる改善方法を検討している。 2.実時間信号処理システムの構築 最新のディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いた実時間信号処理装置を導入した。このDSPに適したSECの実現方法を検討している。
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