2008 Fiscal Year Annual Research Report
一部符号化パラメータの透かし埋込型超高能率画像符号化方式と実験的検証に関する研究
Project/Area Number |
18560380
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒田 英夫 Nagasaki University, 生産科学研究科, 教授 (90215111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 誠 長崎大学, 工学部, 准教授 (30229041)
今村 弘樹 長崎大学, 工学部, 助教 (20363468)
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Keywords | 情報システム / 情報通信工学 / 画像符号化 |
Research Abstract |
著作権保護の観点から電子透かし技術による画像中へのデータの埋め込みについて盛んに研究されている。一方、高能率画像符号化についてはさまざまな方式が研究開発されおり、画像の高能率符号化への必要性は高い。本研究は、電子透かし技術に着目し画像符号化パラメータの一部を自画像の中に埋め込むことにより、情報量を削減する新たな符号化方式の実現が目的である。平成21年度は平成20年度までの基礎的な検討結果を基にして、国際標準符号化方式であるJPEGへの適用を検討した。具体的には、ブロックごとにDCT変換係数のDC成分をAC成分に埋め込むことにより、DC成分の符号化データを削減することでデータ量の削減を実現した。この結果、従来JPEG方式の場合に比べ約2.48%の圧縮率の改善を実現し、画像品質の劣化も軽微であった。なお、この結果をまとめ、学会等で発表し、電子情報通信学会論文誌に投稿し、採択された。このことより、平成20年度までに行ったフラクタル符号化方式への符号化パラメータの一部を自画像の中に埋め込む画像符号化方式に加えて、JPEG方式への適用についても有効性を検証できた。これらの研究成果により、符号化パラメータの一部を自画像の中に埋め込む画像符号化方式を検証し確立することができた。現在の画像符号化方式の国際標準はいくつかの要素的な符号化方式を組み合わせたハイブリッド符号化方式である。提案した符号化方式を適用することでより高能率な画像符号化方式が実現可能となり、今度のマルチメディア情報の増大への対処に貢献するものと期待できる。
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