2006 Fiscal Year Annual Research Report
低コスト・高稼働率な固定衛星業務用時間遅延/サテライトダイバーシティ方式の研究
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18560382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
初田 健 北海道工業大学, 工学部, 教授 (10198757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 泰之 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (30181572)
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Keywords | Ku帯衛星通信方式 / 時間遅延ダイバーシティ(TDD)方式 / サテライトダイバーシティ(Sat.D) / 回線稼働率 |
Research Abstract |
(1)Ku帯TDD方式の特性測定 Ku帯-TDD方式の設計に当たっては、2信号間の遅延時間をどの程度にすべきかが現在の技術では不明であるが、この値がどの程度の値になるかによって、Ku帯TDD方式の実用化の可能性が左右される重要な値である。今年度は、これらの疑問点を解明するために、測定系のプログラムを作成するとともに、データ取得実験を進めた。 現有の、測定系は、BS,JCSAT-3号衛星を受信するための5基のアンテナ(アンテナ直径(台数):40cm(4)、65cm(1))、Ku帯地球局(実用局免許)装置2局(1.8mφアンテナ、対象衛星150°EのJCSAT-1B)を使用してJCSAT-1B衛星信号の特性を取得し、TDD方式特性の基礎データを測定した。さらに、Ku帯信号受信専用アンテナ装置、5局(3mφ(1)、2.4mφ(1)、1mφ(3))を使用して、110°E〜154°Eに配置されている衛星(JCSAT, N-STAR, BSなど)の信号(主として、ビーコン信号)を受信し、TDD方式特性の基礎データをうるための測定系を準備している。最新の成果の一部は、IEEE AP-S(アンテナ・伝搬シンポジューム)に2件投稿し採録され、平成19年6月に発表する。 (2)Ku帯TDD/Sat.D方式の特性測定 これまで、Sat.D方式の特性データはかなり収集されているが、最近の異常気象により、短期の測定データでは、詳細設計には不十分である。本年度は、Sat.D方式のデータをさらに充実するとともに、Ku帯TDD/Sat.D方式の適用による回線稼働率の改善効果を定量的に明らかにするためのデータを収集した。 TDD/Sat.D方式では、1衛星はt=0で信号を送信し、他の1衛星は遅延時間t=τで信号を送信して、信号強度の良好な衛星を選択して受信するものであるが、現在までに蓄積しているKu帯のSat.D方式のデータを使用して、暫定的な回線稼働率の改善効果を推定してる。 さらに、詳細データ取得のために、組み合わせる衛星の設定、データ規格の統一などを行って、より詳細な結果を導出する。この検討によりTDD/Sat.D方式のダイバーシティ利得がどのくらいか、遅延時間t=τはどの程度の値になり、最適値が存在するか、軌道間隔はどの程度離せば有効化などの疑問点を明らかにする。得られた結果は、平成19年7月の通信学会の衛星通信研究会に発表する予定である。 以上の技術に関連して、JSAT,住友電工との共同特許2件を提出した。
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