2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560385
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大槻 知明 Keio University, 理工学部, 准教授 (10277288)
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Keywords | プリコーディング / 見通し環境(LOS) / MIMO / 長区間平均値 / ライスフェージング / MLD |
Research Abstract |
近年,無線通信において高速大容量伝送を実現する手段として,複数の送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)が注目されている.MIMOは,無線LANや携帯電話などに適用可能である.特に無線LANの使用環境では見通し(LOS:Line Of Sight)環境となることが多い.見通し環境では,直接波が存在するライスフェージング環境となる.各受信アンテナにおける直接波の位相差が近いとき,通信路の相関が高くなり信号検出が困難となる.そのため,ライスフェージング環境ではこのような劣悪な環境における対策が必要である. 本研究では,LOS環境におけるMIMOシステムの特性を改善するために,最小距離最大化プリコーディングを用いたMIMOシステムを提案した.送信機でプリコーディングに利用するCSIとして,瞬時CSIの代わりに,長区間平均値を用いる方法を提案した.さらに,最小距離最大化プリコーディングの信号の信頼度を利用したMLDの演算量削減を提案した.提案プリコーディングは,送信アンテナ数が2本より多い場合にも容易に適応可能である.計算機シミュレーションの結果,提案方式がプリコーディングを用いない従来のライスフェージング環境におけるMIMOシステムの特性を改善することを示低演算量でほぼ等しいビット誤り率(BER)特性を達成することを示した.
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