2006 Fiscal Year Annual Research Report
光アクセスシステムにおける光ファイバ非線形効果に関する研究
Project/Area Number |
18560387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
前田 譲治 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (10256670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 裕 東京理科大学, 工学部, 講師 (70366433)
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Keywords | フォトニックネットワーク / 光ファイバ通信 / 光アクセス / 非線形光学 / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究では、高速光アクセスネットワークにおける光カー効果による非線形歪とそのシステムに対する影響を、シミュレーションと実験の両面から調べている。物理構成はPONを想定し、ベースバンドデジタル信号の伝送と、光ファイバ無線システム等のアナログ伝送とに分けて研究を進めている。 デジタル伝送の研究では、データ列のパターンによる波形歪の相違を考慮し、実システムで予想されるシンボル分布をシミュレートするプログラムを開発した。作成したプログラムを用いて、物理層伝送速度12.5Gbpsのシステムについて検討を行ったところ、現在実用的とされる32分岐以下のシステムでは、非線形波形劣化が伝送制限要因とはならないことが分かった。ただし、クロック再生の際に重要となる時間軸への影響については別途考慮が必要である。実験では、購入したパルスパターン発生器を用いた伝送実験の予備実験を行っている。 光アナログ伝送の研究では、搬送波周波数10GHz以上、伝送速度100Mbps以上の光アナログ伝送を想定し、BPSK, QPSK, QAMを光強度にパッケージしたときの伝搬シミュレーションを行っている。平成18年度は、搬送波周波数10GHz、16値および64値のQAM信号を伝送した場合、コンスタレーションに現れる変化を検討した。非線形性を考慮しない場合にはフェージングの影響によってシンボル点間距離が小さくなるが、光カー効果が存在する場合には、パラメトリック増幅によってシンボル点間距離が広がり、ペナルティを軽減することができることが予見された。初期変調度が大きい場合、飽和によって生じる波形歪は、コンスタレーションの歪となって現れるが、電気段におけるアナログ的な等化によって補正可能であることを示した。実験では、搬送波周波数10.5GHz、伝送速度100MbpsのBPSK受信機とQPSK受信機の構築に着手した。ヘテロダイン方式を採用した受信機を設計し、中間周波数における搬送波再生装置の基礎的実験を完了した。
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