2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス・スペースネットワークのためのアンテナシステムに関する研究
Project/Area Number |
18560393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
出口 博之 同志社大学, 工学部, 教授 (80329953)
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Keywords | 電磁波 / 開口面アンテナ / アレーアンテナ / ホーンアンテナ / 広帯域化 / 交差偏波 / ビーム成形 / 高次モード |
Research Abstract |
アンテナシステムにおいて重要なコンポーネントである放射系ならびに回路素子について基礎的検討を行った.まず,導波管の接続部で用いられているチョーク構造をホーンアンテナの内部に複数段装荷した同軸キャビティ装荷多モードホーンについて検討を行った.このような同軸キャビティによって,低交差偏波特性に有効な高次モードを効果的に発生制御でき,広帯域な周波数特性が得られる見通しを得た.また,このキャビティの寸法を大幅に変えた検討も行っており,主偏波特性の制御が期待できる.一方,方形ホーンにおいては,すでに,主偏波特性の代表的な制御であるビーム成形について詳細な検討を行っており,だ円ビームを得る方形ホーンの設計法について明らかにした.このホーンでは,軸方向にステッブ状不連続をホーン全体にわたって設け,高次モードを発生制御するもので,直交する2つの偏波特性を合わせることができる.このようなホーンは,グローバル成形ビームアンテナとして用いることができ,後述するリフレクトアレー等の空間給電開口面アンテナの一次放射器としても有効である.そして,簡単な構成で薄型構造の実現が期待できる単層リフレクトアレーの高性能化についても検討を行った.従来,広帯域化には多層構造が不可欠であると考えられていたが,本研究では,単層構造でも2共振位相特性をうまく用いて設計すれば広帯域な特性が得られることを見出した.これは,同一面上に複数の共振素子を配列するもので,このアイディアの基になっているのは,提案する周波数選択膜を用いた導波管フィルタであり,従来の空桐共振器単体では実現できない複数共振が簡単に得られるものである.
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