2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス・スペースネットワークのためのアンテナシステムに関する研究
Project/Area Number |
18560393
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
出口 博之 Doshisha University, 理工学部, 教授 (80329953)
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Keywords | 移動体通信 / 衛星通信・放送 / アンテナ / 電波 / 最適化 / ビーム成形 / 開口面分布 / 広帯域化 |
Research Abstract |
リフレクトアレーが構成される素子間の相互結合の影響によりサイドローブレベルの上昇を引き起こすという問題を解決するため,リフレクトアレーに任意形状アレー素子を用いることを提案している.任意形状アレー素子によって反射位相特性を任意に制御することで直線的で平行移動した位相特性を実現し,かつ360度分の反射位相量を得ることができる.提案する素子の妥当性は,2次元周期素子配列したものを試作し,実験的にも検討を加えている.そして,このような素子を用いてリフレクトアレーが構成可能であることを確かめるために,アンテナを設計し,その妥当性を放射特性の数値的検証より明らかにしている.そして,これらの特性を実験的に検証するために,リフレクトアレーを試作測定したところ,計算値とよく一致し,良好な放射特性が得られることを確認している. また,アンテナのより一層の小型化,広帯域化,高性能化を達成するため,同軸グループにリングを装荷した新しい構造のホーンを提案し,給電系側の同軸グループ構造によってガウス分布状でなおかつ低交差偏波な電界分布を得,この同軸グループにリングを装荷することによって正確に位相の制御が行えることを明らかにしている.提案する構造を用いれば,円形導波管モードから励振される同軸導波管モードを,より正確に制御することができ,各リング装荷同軸グループにおける電界分布を詳細に求め数値的な検討を加え,リングを装荷しない構造のホーンアンテナに比べて広帯域な特性が得られることを確認している.設計例として,円形カバレッジを高い利得で照射できるホーンアンテナを示しており,X帯で試作したアンテナにおいて良好な放射特性が広帯域にわたって実現できることを実験によって検証している.
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