2006 Fiscal Year Annual Research Report
平衡型弾性波デバイスのバランス解析と多目的最適設計に関する研究
Project/Area Number |
18560402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田川 聖治 神戸大学, 工学部, 助教授 (50252789)
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Keywords | 弾性波デバイス / 弾性表面波フィルタ / 多目的最適化問題 / 最適設計 / 最適化手法 |
Research Abstract |
複数の平衡端子と不平衡端子を持つ弾性波デバイス(平衡型弾性波デバイス)は、従来の携帯電話などに使用されている不平衡型弾性波デバイスと比較して、消費電力が少なく耐妨害特性があるため、次世代の移動体通信機器のキーデバイスとして注目されている。本研究では、平衡型弾性波デバイスのバランス特性の解析方法と評価指標を考案するとともに、バランス特性と本来機能の周波数特性を考慮した平衡型弾性波デバイスの構造設計を多目的最適化問題として定式化することで、平衡型弾性波デバイスの新たな最適設計手法を考案する。 本年度は、平衡型弾性波デバイスの多目的最適設計の中核的な要素技術である、(1)シミュレーション手法、(2)バランス特性の評価手法、および、(3)メタヒューリステックを中心とした最適化手法の構築方法について研究を実施した。まず、シミュレーション手法については、平衡型弾性波デバイスの複雑な電極の構造を、階層的に分割する方法について検討した。つぎに、品質工学(タグチメソッド)におけるロバスト性の観点から、電極間の浮遊容量を誤差因子とするバランス特性の評価方法を考案した。さらに、具体的な平衡型弾性波デバイスとして二重モード弾性表面波フィルタを対象とし、その多目的最適設計問題に対して代表的な遺伝的アルゴリズムであるNSGA-IIを適用し、複数の目的関数(評価指標)がトレードオフの関係にあることを明らかにした。
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