2008 Fiscal Year Annual Research Report
波長多重走査型半導体レーザ光源によるインプロセス形状計測システムの実現
Project/Area Number |
18560409
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 孝昌 Niigata University, 自然科学系, 教授 (40206496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 修己 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90018911)
大平 泰生 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10361891)
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Keywords | 外部共振器型光源 / 広帯域波長走査 / 静的波長走査 / 半導体レーザ / 光熱変調 / インプロセス計測 |
Research Abstract |
まず,超音波偏向器を用い,機械的走査によらない静的波長走査機構を再構築し,安定に波長走査が行える条件を見出した。波長走査が不安定となっていた原因は,光源の半導体レーザに注入する電流が大きく外部共振器なしでシングルスペクトルに近い発振をしていたことに原因のあることがわかった。注入電流を下げ,発振スペクトルをブロード化するとともに,超音波偏向器の0次回折光の影響を除去する光学配置をとった結果,3nm程度の静的波長走査を安定に実現することができた。光スペクトルアナライザーによる観測では,波長のシフト間隔が0.06〜0.08nmであった。 次に,波長走査を施して変調をかけた干渉信号を発生させ,フォトダイオードによる観測を行った。光路差1mm以下の干渉計において直接変調による安定な干渉信号が得られることを確認した。光スペクトルアナライザーによる観測では,分解能から来る制限により,離散的な走査であることが判断されたが,干渉信号の観測からは,波長が連続的に走査されていることが確認できた。ただし,注入電流の値を小さく保つ必要があることから,干渉信号の振幅はそれほど大きくなく,良好なS/N比を確保するためには,増幅やフィルタリングといった信号処理が必要である。 一方,高速度カメラによって,波長走査周波数100Hzの周波数においてマイクロメーターにより機械的に走査された段差面の干渉縞の観測を行った。1msごとの干渉縞を取得できることが実験的に確認された。取得された干渉縞のビジビリティは比較的良好で,加工最中の物体の高精度インプロセス計測系を構築できる見通しが得られた。
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