2008 Fiscal Year Annual Research Report
遠距離における高精度位置計測システムの製作と自然現象計測への応用
Project/Area Number |
18560411
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
橋本 岳 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (60228418)
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Keywords | 画像計測 / 高精度3次元計測 / リモートセンシング / 氷河観測 / 雲観測 / 太陽光発電 |
Research Abstract |
1. 解析・発表等:前年度観測データの解析を行った結果,氷河中流域および下流域における氷河の微細な動きを初めて観測することに成功した。国際会議等にてこれらの研究発表を行った。 2. 計測システムの改良・検証,理論的検討:昨年度までの観測および国内での実験に基づき超高精度3次元距離計測システムをさらに改良した。特に,パタゴニア地方特有の強風によるカメラの振動を減少させるために小型・防水カメラを導入した。観測距離1,000mにて計測誤差0.20m以下を実現,カメラ設置の自由度を高めた。また,雲観測において解析プログラムを改良した。 3. 計測の実施1:製作した超高精度3次元距離計測システムの自然現象計測への応用として,2008年12月〜2009年1月の約3週間,アルゼンチンのペリト・モレノ氷河の観測を実施した(氷河観測では継続実施が重要である)。今年度も氷河中流域と下流域の計測を行った。また,対応点探索のためにステレオカメラ群の中間にもカメラを設置した。現在観測データを鋭意解析中である。この観測の目的は,遠距離における高精度位置計測の実証と有効性の検討と,理学・環境学的な観測データの取得である。特に,パタゴニア氷河は約2m/dayと移動速度が速く,地球温暖化に関連する有益な情報を提供できると期待されている。現在,氷河観測のような自然現象観測において高精度な距離計測システムが存在しないため,本観測の結果が注目される。計測の実施2:自然現象計測の例として,雲の3次元位置計測を行った。この計測の目的は,雲の移動の計測により,太陽光発電の瞬時電力変動を予測することである。太陽光発電の面積密度の向上により瞬時電力変動が大きくなりつつあり本研究が不可欠と考えられる。本年度は,地上風と雲の動きの関連に関する一定の知見を得た。 4. まとめ:今年度の観測結果の解析と並行して,まとめを作成中である。
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