2008 Fiscal Year Annual Research Report
高ノイズ・低解像度を画質特徴とするRI骨シンチ画像の画像解析と自動診断
Project/Area Number |
18560413
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福島 重廣 Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (60027927)
|
Keywords | 画像情報 / ノイズ画像 / 非等方拡散 / レジストレーション / FFD / RI画像 / 経時差分 / 骨シンチ |
Research Abstract |
癌疾患の骨転移の早期発見において重要な骨シンチ画像のコンピュータによる画像解析・自動診断技術の開発を目標とし,画像間差分による経時的変化と分布対称性の定量的解析法の開発と,画像認識によるRI物質の異常集積部位の強調・自動検出を目指して研究を行った. まず,RI画像特有の高ノイズを低減するため,濃淡エッジを保存しつつ強力な画像平滑化を可能とする非等方拡散法に関して実験的研究を継続した.そして,人工的テストパターン画像に対する定量的評価および骨シンチ臨床検査画像に対する視覚評価を行い,原画像の濃淡分布を保存しながらノイズを低減する方法として,PeronaとMalikの方法に関連して種々提案されているエッジ停止関数の中から辻らの関数を選定した.また,拡散の最適な繰り返し回数の見積もりを行った. 複数画像間での大域的および局所的な位置・形状合わせ(レジストレーション)についてはRUeckertらの提案による自動的な非剛性手法に基づきプログラムを開発した. 以上により,これまで検討してきた要素技術を整理し,異常集積部位の強調・自動検出のために画像間差分に基づく経時的解析のシステム化を試みた.33組の臨床検査画像を用いて経時的差分の実験を行った結果,コントラストが明瞭ではない10組を除く23組について効果を認めた. その他,対称性の解析については石川らが提案した潜在対称性の応用を検討したが,むしろ上記のレジストレーション手法だけで対処できるものと思われる.また,濃淡譜調歪みの補正は従来から医療現場で用いられてきたフィルムスキャンデータやスクリーンキャプチャーデータを継承利用することを意図したものであったが,実験を含め予備的に検討した結果,譜調補正手法だけでは対応し難いことが観察された.なお,将来的には電子データが解析対象となり譜調歪みの問題は解消されることから,今回は基礎的検討に留めた.
|