2006 Fiscal Year Annual Research Report
背面モアレ画像を用いた脊柱側彎症診断用システムの開発
Project/Area Number |
18560414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 亨燮 九州工業大学, 工学部, 助教授 (80295005)
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Keywords | 集団検診 / 脊柱側彎症 / モアレ画像 / コンピュータ画像診断支援 |
Research Abstract |
本申請研究は、集団検診で用いるモアレ画像からの、脊柱側彎症自動診断を行うためのシステムを開発するものである。脊柱側彎症自動識別法を確立するためには、様々な手法を導入する必要がある。 平成18年度は、モアレ撮影画像データからの処理領域の抽出、画像濃度の正規化、関心領域の自動設定および、その関心領域内の左右非対称度を算出し、得られる特徴量からの未知モアレ画像データの正常・異常の自動識別法を提案し、一定の成果を得た。具体的には、まず、モアレカメラで撮影される画像データを入力画像とし、頭部および腰部などを除外した画像データを作成し、入力画像として与える。次に、撮影環境の違いにより生じる照明差を低減するため画像の正規化を行い、左右脇線の非対称度と肩のラインの左右不均衡を、新しい特徴量として算出する。最後に、これらの特徴量を基に、マハラノビス距離による線形識別を行うことによる未知データの識別を行う。提案法を、正常・異常各600例で構成される1200症例の実モアレ画像に適用した。 平成18年度に得られた主な成果としては、ソベルフィルタと一定分散強調処理を原画像に施し、両画像からの差分演算を行うことにより、肩のラインや腰部における脇線を正確に抽出することが可能となった。さらに、差分画像上のノイズを軽減するため、バイラテラルフィルタを適用することにより、安定した特徴量の抽出を試みた。これにより、医師の視診における評価指標(両肩の高さの違い、腰部の左右不均衡)を、コンピュータ画像診断にも取り入れることが可能であることを確認した。 今後は、さらなる精度向上を図るため、左右関心領域内の相互相関や他の特徴量を取り入れ、認識率の向上を図るとともに、ROC解析によるシステムの平均的な評価を行う必要がある。
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Research Products
(4 results)