2006 Fiscal Year Annual Research Report
極薄超格子構造中のサブバンド間遷移を利用した小型波長可変テラヘルツ波検出器の開発
Project/Area Number |
18560421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 正崇 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20029325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々 誠彦 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50278561)
前元 利彦 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80280072)
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Keywords | テラヘルツ / サブテラヘルツ / ダイオード / ヘテロ構造 / lnAs / AlSb / AlGaSb / 負性抵抗 / 検出感度 / 二乗検波 |
Research Abstract |
極薄超格子構造中のサブバンド間遷移を利用したテラヘルツ検出器の開発を目的として研究を行った。まず基本的な構造としてSb系ヘテロ構造ダイオードを利用したサブテラヘルツ領域(0.1THz〜1THz)で動作する高感度なパッシブディテクタの製作を行った。このlnAs/AlSb/AlGaSb/p-GaSb構造においては、そのエネルギーバンド構造からゼロバイアス付近で高い非線形性を示す電流一電圧特性が得られる。その曲率を大きくすることにより二乗検波による検出感度を高めることができる。今年度はAlSb膜厚とAlGaSb層のAl組成を変化させたときのダイオード特性と検出感度を評価した。lnAs/AlSb系ヘテロ構造は界面制御された分子線エピタキシー法により作製し、フォトリソグラフィーとウエットエッチングによってダイオード構造に加工した。電流一電圧特性を測定し、二乗検波による検出感度を評価した。その結果、AlSb層を1nmとしたときでは検出感度γ=4.4V^<-1>となり、2nmとしたときより約2倍の感度が得られた。また、AlGaSbのAl組成,xを0.1〜0.2の範囲で変化させた結果、xが大きくなるほど負性抵抗の出現する電圧値が低電圧側にシフトすることが判った。特に、x=0.2の試料では順方向電流が抑制され、検出感度がγ=1.2V^<-1>が得られた。さらに検出感度を高めるにはAlGaSb層のAl組成を制御しバンド構造制御を行いっつ、AlSb膜厚を薄く設計することが望ましいことが明らかになった。今後はMBE成長におけるドーピングの検討も行いながらデバイスプロセスなどの種々の実験を行い、lnAs/AlSb極薄超格子構造デバイスの実用化に向けた研究を進める予定である。
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Research Products
(7 results)