2008 Fiscal Year Annual Research Report
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18560423
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
水本 巖 Toyama National College of Maritime Technology, 情報工学科, 教授 (40239257)
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Keywords | 活性酸素 / 高輝度LED / 一重項酸素 / ESR / 近赤外域 / 微弱光計測 / スーパーオキサイド / ローズベンガル |
Research Abstract |
開発した簡易型ESRESR測定装置を用いて、遮光時と光照射時のローズベンガルのESR測定結果から、マイクロ波周波数8.488GHz、マイクロ波出力1mW (OdBm)、磁場変調100Hz、変調幅O.1mTとして測定したところ、どちらも303mT付近でBSRスペクトルが得られた。遮光時と光照射時のESRスペクトル強度に違いが見られないとから、ローズベンガルに光照射することによるスーパーオキシドやヒドロキシラジカルなどの発生はほとんど無いと考えられる。一方、DPPH(関東化学)0.1gはラジカル濃度が約97%、1.48×10^<21>個であるので、ラジカル漁度はESRスペクトルの面積に比例して求められることから、ローズベンガルのラジカル漁度はDPPHに比べて約16%相当となり、発生したラジカル量は0.24×10^<21>個程度であると推測される。高輝度緑色LEDを用いて光励起した一重項酸索発光スペクトルは1270nmに発光ピークがあることから、一重項酸素が発生しているものと考えられる。励起用光源LEDの励起光渡5W照射に対して、1300nm帯で発光するInGaAs LEDの発光強度換算で一重項酸素の発光強度は0.1pW相当であった。波長約1260nm付近における水の吸光度は約0.1であり、光路は励起からセル側面までの光路1mmを考えると約100分の1に吸収される。そのため元の発光強度から水による光の吸収などを除いたとすれば、赤外発光として励起された一重項酸素分子の個数は、およそ640×10^4個であると推定される。また水中の一重項酸素寿命は、空索中寿命の1000分の1である。そのため、発生する元の一重項酸素分子は、10^5倍と見積もられる。そのため発生した一重項酸素は6.4×10^<10>個と考えられる。開発した装置により、ローズベンガル水溶液系で発生する活性酸素の主成分であるスーパーオキサイドと励起一重項酸素のダイナミクスが明らかになった。
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