2009 Fiscal Year Annual Research Report
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18560423
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
水本 巌 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (40239257)
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Keywords | 活性酸素 / 一重酸素 / 近赤外域 / 徴弱発光 / ローズベンガル |
Research Abstract |
シリコン系光検出器および光電子増倍管が使えない1~2μm帯の近赤外域波長領域には、健康科学と密接に関連する活性酸素の微弱発光や、脳科学計測に深く関係するオキシヘモグロビン等の吸収がある。この近赤外域での微弱光検出システムとしては、Geフォトダイオードと組み合わせた抵抗増幅器(TIA : Trans-Impedance Amplifier)やInGaAsフォトダイオード用いた電荷蓄積型増幅器(CIA : Charge Integrating Amplifier)を組み合わせたシステムなどが主に用いられてきた。これら光半導体受光素子は、液体窒素冷却によって暗電流を抑制し、光検出感度を高める方式である。しかしながら冷媒としての液体窒素は、凍傷などの危険性があるほか、検出を行う際には毎回補充する必要があり、取り扱いが煩雑である。また微弱光分光のために閉空間にした密閉暗室内での使用には窒息などの危険が伴う。そのため液体窒素使用による装置は、検出感度としては十分得られるものの、光電子増倍機能付きのCCD等と使い勝手を比較すると、一般的な微弱分光システムとしてはなかなか普及しなかった。そこで冷媒として液体窒素を用いずに、活性酸素のダイナミクス測定装置の普及を図る一貫として、市販されている冷凍機でも到達できる-60℃前後の低温域で、非常に簡便性の高い、電荷蓄積型近赤外域微弱光検出システムの開発を行った1.3μmの光源を用いて測定した結果、本システムの最大検出感度は、蓄積時間4秒間で、10^<-13>W(NEP 2×10^<-13>W/Hz^<1/2>)であった。実際に活性酸素の代表的な発光種である一重項酸素を、発光波長530nmの緑色高輝度LED (Pro-Light Opto Technology PG1N-5LGS, 最大出力5W)を励起光源としてローズベンガル(関東化学製、濃度0.0003%)に照射し光励起により一重項酸素を発生させた。水溶媒中の光励起で得られた一重項酸素の化学発光強度は、蓄積電荷よる出力電圧から換算して約10^<13>W相当であった。
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