2006 Fiscal Year Annual Research Report
非線形構造を考慮したロバスト最適化法とその非線形制御への応用
Project/Area Number |
18560426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 泰章 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (80272392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増淵 泉 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90283150)
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Keywords | ロバスト最適化 / 領域分割型アプローチ / 計算量 / 疎構造 / 密度関数 / 非線形制御 / 制約つき制御 / 保守性 |
Research Abstract |
本年度はロバスト最適化の理論的確立とその制御への応用について研究し,特に領域分割型アプローチの計算量の低減法および非線形制御のための密度関数法に関して成果が得られた. ロバスト最適化のための領域分割型アプローチは,与えられたロバスト半正定値計画問題を近似する問題を行列拡大とパラメータ領域の分割によって構成する方法である.実用的な問題に対しては近似問題のサイズが大きくなりがちであることが難点であったが,その軽減のための方法を2つ見出すことができた.1つめは,近似問題を解いたときに有効となる制約に注目し,その制約を含む部分領域の再分割を繰り返すことによって,適応的に効率的な分割を行なう方法である.2つめは,与えられたロバスト半正定値計画問題をパラメータの多項式と見なしたときに,非零の係数を持つ項はわずかであるという一種の疎構造を仮定することによって,小さいサイズの近似問題を作る方法である.いずれも計算例によってその有効性を確認した. 密度関数法は最近注目を集めている非線形制御の新しい方法であるが,状態や入力に制約のある現実的なシステムへの適用は考えられていなかった.本年度の研究により,このようなシステムにも使える一般的な密度関数法を得ることができた.すなわち,このようなシステムが安定であるための必要十分条件はある条件をみたす密度関数が存在することであり,密度関数を見つける問題はロバスト最適化問題に帰着できる.これにより状態や入力に制約を持つ非線形システムの保守性のない安定化が可能になる.
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