2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形構造を考慮したロバスト最適化法とその非線形制御への応用
Project/Area Number |
18560426
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
大石 泰章 Nanzan University, 数理情報学部, 准教授 (80272392)
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Keywords | ロバスト最適化 / 行列拡大法 / 領域分割 / 疎構造 / 誤差評価 / 計算量 / 2乗和多項式 / パラメータ依存Lyapunov関数 |
Research Abstract |
本年度は前年度の成果を受け,ロバスト最適化とその制御への応用に関する次の3つの成果を得た. 1.疎構造を利用した行列拡大法の誤差評価 2.領域分割型の2乗和多項式法の開発 3.パラメータ依存Lyapunov関数への適用 「1」については,前年度の研究により,与えられたロバスト最適化問題の疎構造を利用して行列拡大法の計算量を低減する方法を得ていた.本年度はこれに対して近似誤差の事前評価を可能にした.具体的には,疎構造を抽出するのに使うrectilinear Steiner arborescenceというグラフに基づいて適当な座標変換を行うことにより,近似問題の構造を簡単にし,これを利用して誤差評価を得た. 「2」については,新しい2乗和多項式法を提案し,これが従来の2乗和多項式法の問題点を解決することを示した.すなわち,従来の2乗和多項式法は多項式の次数を上げることで精度の向上を行っていたのに対し,行列拡大法と同様に領域分割によって精度向上を行うことにする.これにより,近似誤差の事前評価や,計算量の小さい効率的な分割の構成が可能になるとともに,丸め誤差の影響が小さくなる. 「3」については,パラメータ依存Lyapunov関数が関わる制御の問題をロバスト最適化問題として定式化し,その特徴を明らかにするとともに,行列拡大法を拡張して適用できることを示した.上記の問題を定式化すると,パラメータ依存Lyapunov関数に対応する未知関数を持つロバスト最適化問題になる.これに対して,未知関数を区分多項式で近似することで行列拡大法を適用することができ,近似誤差の事前評価や効率的分割の構成も可能である.
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