2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能的電気刺激(FES)とロボット操作による身体運動機能再建に関する研究
Project/Area Number |
18560427
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 宏司 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30023310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敏之 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60323820)
郷古 学 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (30447560)
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Keywords | 電気刺激 / 脳波 / リハビリテーション / 医療・福祉 / 脳・神経 |
Research Abstract |
本研究は,脳卒中リハビリテーションを運動学習の視点からとらえ、脳波から得られる運動意図をもとにFESにより筋を収縮させ、その結果生じる感覚フィードバックを脳に戻すことによって学習を促進させるBCI (Brain-Computer Interface)リハビリテーションシステムを構築することを目的としている.本システムにより、擬似的に運動指令ループを構成することができ、運動学習による機能回復効果が高まる.運動野は,運動前野,補足運動野,大脳基底核を中心として生成される運動イメージ・プランを受けて,小脳との機能連携のもと,筋への運動指令を脳幹・脊髄系へ出力する.その際,運動前野を中心として生起される運動イメージと体性感覚・視覚からの感覚フィードバックが同時に入力されることが重要である.ここでは,麻痺肢を駆動するだけのレベルには達していないが,運動野から信号が伝達され,微弱ながら何らかの筋電位(EMG)が観測される患者を対象とする. 本研究では、脳卒中片マヒ患者の随意性を反映するため、脳波事象関連電位(Event Related Desynchronization: ERD)に着目した.健常者を用いて運動想起時に発生する脳波(ERD)について検証した結果,視覚フィードバックによるオンライントレーニングを数日間実施することで,約60%の識別率を得られた.さらに,FESによって生じる感覚フィードバックが運動野の脳波に与える影響を解析し,運動意図検出への影響が少ないことを確認した.最後に,画面上のカーソルを脳波(ERD)とFESにより随意的に上下させるBCIリハビリテーションシステムを構築した.今後は,脳卒中片マヒ患者に対して適用して,訓練効果を確認する予定である.
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