2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい数値最適化手法による最適制御と応用に関する研究
Project/Area Number |
18560429
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田地 宏一 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准 (00252833)
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Keywords | モデル予測制御 / 特異摂動系 / セミスムーズニュートン法 / 相補システム / 準変分不等式 / スライディングモード制御 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下のとおりである.まず,特異摂動系に対するモデル予測制御問題を取り扱った.特異摂動系は速いダイナミクスと遅いダイナミクスを併せ持つシステムであり,電動モータと機械系を融合したシステムなど多くみられる.これに対しモデル予測制御を行う場合,最適制御問題の評価区間は遅いダイナミクスにあわせ長く,またステップサイズは速いダイナミクスにあわせ短くしなければならず,最適制御問題の次元が非常に大きくなる.本研究では,特異摂動法の考え方を適用し,二段階法に基づくモデル予測制御の解法を提案した.提案した手法の収束性と誤差評価は今後の課題であるが,シミュレーションにより高速に精度良く制御入力を決定できることを示した.この結果は,RIMS研究集会「数値最適化の理論と実際」講演し,数理解析研究所講究録1584「数値最適化の理論と実際」に論文としてまとめた.また,これまで提案してきた,セミスムーズニュートン法に基づく高速解法や,剛体との接触を伴うロボットアームによる対象物の位置制御問題において,接触点での接触モード(滑り・転がり接触)とその切り替わりを考慮したモデル予測制御問題の解法,および特異摂動系に対するモデル予測制御の解法などを,第19回RAMPシンポジウム論文集にまとめた.その他,関連する研究として,ロボットの運動の解析や制御などにも用いられる準変分不等式に対するメリット関数を提案し,これを雑誌Abstract and Applied Analysisに論文としてまとめた.また,ロバスト制御手法の一つであるスライディングモードについて,フィードバック保証を用いて偏差を少なくする改良案を提案し,シミュレーションでその有効性を検証した.この結果は,第50回自動制御連合講演会で講演した.
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