2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい数値最適化手法による最適制御と応用に関する研究
Project/Area Number |
18560429
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田地 宏一 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00252833)
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Keywords | ニュートン法 / パラメータ励振歩行 / 変分不等式 / モデル予測制御 / 劣駆動二重振子 / 参照軌道の最適化 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下のとおりである.昨年度までに開発したモデル予測制御問題に対する解法を実システムに応用するための準備として,以前より研究しているパラメータ励振を用いた膝関節駆動二足歩行ロボットの歩容生成を行った.まず単純なパラメータ探索を用いて,平均歩行速度やエネルギー効率などの歩容の準最適化を行った.さらに,これらを通常歩行と鳥脚歩行に対し適用,比較を行うことにより,鳥脚歩行の方が通常歩行よりも歩行速度,エネルギー効率の良いことをシミュレーション実験により明らかにした.これらの結果は,国際会議2008 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsで発表し,Roboticaおよび日本ロボット学会誌に論文としてまとめた.さらに,組み合わせ最適化問題でよく用いられている局所探索法の手法に基づいた参照軌道を最適化する手法を開発し,これを膝関節駆動二足歩行ロボットの歩容生成に適用した.その結果,歩行速度を最大化する歩容,最大入力トルクを最小化する歩容など,さまざまな評価基準に対する最適な歩容生成に成功し,理論的にも興味深い結果を得た.この成果は現在,国際会議2009 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsに投稿中であり,また投稿論文としてもまとめている.その他,関連する研究成果として,ハイブリッドシステムのモデル化や,ロボットの運動の解析や制御などにも用いられる変分不等式にに対するニュートン法のアルゴリズムの改良を行った.具体的には,直線探索の簡略化と凸多面体制約の制限の解除,および不等式制約を持つ問題に対する超一次収束するアルゴリズムの開発である.これらは,それぞれ,論文誌Journal of the Operations Research Society of Japanと統計数理研究所共同研究リポート229「最適化:モデリングとアルゴリズム22」に論文としてまとめた.
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