2006 Fiscal Year Annual Research Report
作用素論的アプローチに基づく制御系解析・設計手法の先鋭化と体系化に関する研究
Project/Area Number |
18560432
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 朋道 京都大学, 工学研究科, 教授 (70189463)
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Keywords | サンプル値系 / ロバスト安定解析 / ロバスト安定化 / 高速リフティング / 非因果的周期時変スケーリン / μ解析 |
Research Abstract |
サンプル値制御系のロバスト安定解析ならびにロバスト設計に関して,いくつかの基本的な成果を得た. まず,高速リフティングと呼ばれる考え方を導入することで,サンプリング周期を仮想的に与えられた整数N分の一にすることで計算精度を上げる方法を与えた.これは,従来,高速サンプル高速ホールドと呼ばれていた近似法をさらに発展させたものであり,従来法が整数Nを導入した時点で直ちに離散時間近似を伴うものであるのに対して,整数Nを導入した時点ではサンプル値系としての性質をそのまま保持するものである点に特徴がある.この特徴を活かしつつ最終的には離散時間系で近似をすることにより,高速サンプル高速ホールド法と比べて,サンプル値系のH∞ノルムについての上界および下界を求める形で近似的に与えることができるようになったという点に大きな特長がある. また,高速リフティングの考え方を発展させ,サンプル値系に対する非因果的周期時変スケーリングに基づくロバスト安定解析およびロバスト設計についての成果を得た.具体的には,非因果的スケーリングに基づくロバスト安定解析を,離散時間系に対するロバスト安定解析に近似的に帰着させるための離散化法を導き,また,その際の近似誤差を評価することにより,近似に基づくロバスト安定解析が実際には厳密な解析を与えるようにするためにいかなる補正が必要かについても明らかにした.さらに,この解析結果を利用することで,ロバスト安定化補償器の設計も可能となることを明らかにした.また,関連する周期時変系に関する研究やサンプル値制御系についての研究も並行的に進めた.
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Research Products
(1 results)