2007 Fiscal Year Annual Research Report
作用素論的アプローチに基づく制御系解析・設計手法の先鋭化と体系化に関する研究
Project/Area Number |
18560432
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 朋道 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (70189463)
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Keywords | サンプル値系 / 周期時変系 / 周波数応答作用素 / パラメータ不確かさ / ロバスト安定解析 / ロバスト性能解析 / 周期時変スケーリング / ディジタル制御装置 |
Research Abstract |
サンプル値系のロバスト安定解析ならびにロバスト設計をより一般的な制御対象に対して可能とするための基本的な成果を得た。昨年度は、外乱入力から制御出力への直達項の存在しない場合のみ考察の対象として、これに対して、高速リフティングを適用した補正型高速サンプル高速ホールド近似手法、ならびに、非因果的周期時変スケーリングを導入したが、直達項が存在する場合も実用上、重要である。そのような場合には、取り扱う作用素が非コンパクト作用素となり厄介であるが、これに対して、準有限ランク近似と呼ぶ方法を導入することで、昨年度に導いた方法を一般化できることを明らかにした。まずHooノルム解析において、有限ランク作用素とパラメータを含む行列に関する乗算作用素の積として表される行列について、その行列をパラメータとして残した形で行列の積として表現しなおすための基本的な補題を導いた。これとループシフティング手法により、一般的なサンプル値系のHooノルム解析が可能となった。続いて、この成果をさらに発展させることにより、直達項をもつ一般的なサンプル値系に対する非因果的周期時変スケーリングの問題が、ある種の離散化を施して得られる離散時間系のスケーリング問題に近似的に帰着させられることを示した。そこで現れる離散化された制御対象は、昨年度の成果において導かれたものと類似の構造をもつものの、具体的な構成は幾分異なるものとなっており、その具体的な計算には上記の補題が重要な役割を果たしている。 これらサンプル値系に対する成果のほか、離散時間系などを含むより一般的な制御系に対しても周期時変スケーリングや作用素の観点から関連の深い課題に取り組み、基本的な成果を得た。
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Research Products
(5 results)