Research Abstract |
1. BMI大域的最適化アルゴリズムの研究について (1)分枝限定法において,実用的な問題で重要となるComplicating次元を考慮した新しい分枝手法を提案し,数値実験によって有効性確認した. (2)分枝限定法の並列分散化について,計算粒度を可変とする並列計算アルゴリズムを提案し,フォワードコンパチビリティに優れるBeowulfクラスタ計算機上にソフトウエア実装を行った. (3)遺伝的アルゴリズムについて,低次元な個体表現を導入し,各個体の評価値を従来のように固有値で行うのではなく,線形行列不等式最適化を行うことで個体評価を高精度に行う手法を提案し,有効性を検証した. (4)遺伝的アルゴリズムの並列分散計算について,(1)で提案した個体評価手法には大きな計算量が必要とされるため,Beowulfクラスタコンピュータの並列分散性を活用した並列アルゴリズムを提案し,ソフトウエア開発を行った. (5)遺伝的アルゴリズムによるBMIの目的関数最適化問題において,従来一般的なペナルティ関数法や引き戻法ではなく,二つの個体評価指標を拡張して切り替える新たな手法を考案し,また領域外個体生成の問題に対して拡張型正規分布交叉を援用する手法を提案した. 2.BMI最適化手法の構造・制御系の同時最適化問題への応用について (1)冗長パラレルリンクロボットのリンク配置と制御系の同時最適設計について,行列不等式最適化を用いた駆動力の最適分配制御手法を提案し,制御実験において有効性を確認することができた.しかし,BMI最適化計算が収束することで得られる大域的に最適なリンク機構,およびトルク分散制御則を導出するところまでには至っておらず,今後の課題である. (2)データベーストな非反証制御に,インテリジェントな学習手法であるサポートベクターマシンを援用するデータベーストなモデルと補償器の同時最適化手法について検討した.磁気浮上系における制御実験において,データベーストな同時最適化手法の有効性を検証することはできたが,BMI最適化手法によって大域的な最適性が保証された制御則を得るまでには至っておらず,引き続き定式化方法を含めて検討する必要がある.
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