2007 Fiscal Year Annual Research Report
非因果的逆系に基づく予見フィードフォワード型2自由度制御系の最適設計
Project/Area Number |
18560444
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
十河 拓也 Chubu University, 工学部, 准教授 (40273487)
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Keywords | サンプル値制御 / 非因果的逆系 / 不安定零点 / 逆問題 / 予見フィードフォワード制御 |
Research Abstract |
サンプル値系と元の連続時間系の伝達関数の零点には単純な対応関係がなく、連続時間系の伝達関数が不安定零点を持たない場合にも、ほとんどすべての場合にサンプル値系の伝達関数には不安定零点が現れる。また、昨今の制御応用例においてはほとんどの場合に実装にディジタル制御系が用いられる。これらを動機として、前年度までに検討した不安定零点をもつ連続時間系の予見フィードフォワード制御の問題をサンプル値系について検討した。その結果以下の成果が得られた:1)両側ラプラス変換の場合と同じくこれまでのフィードバック制御理論ではあまり一般的でなかった両側z変換を導入し、サンプル値系の予見フィードフォワード制御を代数的に表現する枠組みを確立した。2)サンプル点上での完全追従を達成する予見フィードフォワード制御について、サンプル周期を0に近づけると対応する連続時間予見フィードフォワード制御に漸近することを両側z変換および両側ラプラス変換を利用して数学的に証明した。これによって、サンプル値逆系は一般に非因果的な枠組みにおいては連続時間での逆系を近似できることが分かった。3)サンプル点での完全追従を達成する予見時間の長さは、単位円外にある零点がどの程度単位円に近いかによって左右される。また、サンプル値系はもとの連続時間系の伝達関数の相対次数が偶数の場合、サンプル周期を0に近づけたとき-1に近づく零点を常にもつ。このことを動機として-1に近づく零点の位置とサンプル周期の関係を調べ、一部の場合についてそのテイラー展開式を得た。これと従来の結果を併せて、サンプル値系のすべての零点の位置をサンプル周期のテイラー展開式で表すことが一部の場合に可能となった。
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Research Products
(2 results)