2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドシステム制御理論の開発及び走行ロボット制御への応用
Project/Area Number |
18560446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
尹 英杰 独立行政法人理化学研究所, 運動系システム制御理論研究チーム, 研究員 (40391875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細江 繁幸 独立行政法人理化学研究所, 運動系システム制御理論研究チーム, チームリーダー (50023198)
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Keywords | 二足走行ロボット / ハイブリッドシステム / 制御理論 / 運動制御システム / 複雑系 |
Research Abstract |
人間の走行は下肢の多自由度や支持脚の入れ替えを巧みに利用することで、複雑な地形上でも走行することができる。更に、人間は高速度で進行するとき、地面との衝突を積極的に利用し、走行から走る状態に切り換る。このような衝突や足の入れ替えを有する下肢の運動機能は、論理動作と連続動作が混在するハイブリッドシステムとしてモデリングすることができる。 一方、今までの二足歩行や走行ロボットの運動制御に関する研究は、主に(i)歩行パターンの計画および(ii)計画した軌道への追跡制御で行われてきた。制御器は各連続運動に対して設計され、ハイブリッドシステムとしての安定性、最適性、速答性などを追求できなかった。また、変化する環境に適応し難しく、外乱に対するロバスト性も保証できなかった。本研究では、ハイブリッドシステムの制御理論について研究し、開発するシステム的な制御法を二足ロボットに応用することより、多様な外界環境において広範囲の速度で走行することの実現を目的としている。今まで、二足ロボットの運動制御問題を,離散事象と連続ダイナミックスが混在するハイブリッドシステムとして捉え、論理記述が含んだ動的システム(Mixed Logical Dynamical)としてモデリングする方法を示した。このMLDモデルに基づいて、有限時間未来までの応答を最適化することでフィードバック制御を行う非線形モデル予測制御をロボットの歩行運動に適用した。これにより、衝突現象を積極的に利用でき、事前に計画した軌道を用いずに変動する歩行環境にも対応できる、ロバスト性の強い制御系をシステム的に設計できた。今後、本研究結果の更なる発展および走行の運動制御への拡張を試みる。
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