2007 Fiscal Year Annual Research Report
水和物評価に基づく混和材を用いたコンクリートの性能評価手法の構築
Project/Area Number |
18560448
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐伯 竜彦 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (90215575)
|
Keywords | C-S-H / Ca / Si比 / フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 塩化物イオン / 拡散 / 炭酸化 |
Research Abstract |
本研究は,各種水和物の生成量と個々の水和物の性質を把握し,水和物の集合体であるコンクリートの性能を評価する手法の構築を目的とし基礎的な検討を行った.具体的検討内容と成果は,以下の通りである. 1.セメント-高炉スラグ微粉末の2成分系結合材の水和反応によって生成するC-S-HのCa/Si比の経時変化予測手法を構築するため,これまでに開発した混合セメントの結合水量予測手法,高炉スラグ微粉末の水酸化カルシウム消費モデル,高炉スラグ微粉末-水酸化カルシウムペーストのC-S-HのCa/Si比を推定するモデルを組み合わせた.構成された予測手法の検証として,各種高炉スラグ微粉末を混和し,水結合材比および高炉スラグ置換率を変化させたペーストの中のC-S-HのCa/Si比を測定し,モデルによる予測結果と比較した.その結果,予測手法はCa/Si比の経時変化の傾向を捉えることができ,Ca/Si比に影響を及ぼす各種要因の評価が可能であることが確かめられた. 2.C-S-HのCa/Si比がコンクリートの耐久性に及ぼす影響を検討するため,純薬合成したC-S-Hおよび高炉スラグ微粉末やフライアッシュのセメントに対する置換率を変化させることによってCa/Si比を変化させた水和試料を用いて,C-S-Hの物性や化学的性質を検討した.さらに,コンクリート中の塩化物イオン拡散性状との関係について検討し,コンクリートの耐久性に影響を及ぼす物質移動性および反応特性,さらにはこれらの現象に及ぼす炭酸化の影響がC-S-HのCa/Si比よって定性的に説明できることを示した.
|