2006 Fiscal Year Annual Research Report
ASRを生じたコンクリート構造物の残存膨張量測定法の開発に関する研究
Project/Area Number |
18560451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 保 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30263487)
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Keywords | コンクリート / アルカリシリカ反応 / 残存膨張量 / 促進試験 / 耐久性 / 維持管理 |
Research Abstract |
平成18年度には,コンクリート供試体(直径75mm,長さ150mm)を0.5,1および2mol/lの水酸化ナトリウム(NaOH)溶液に浸せきして,それらを40,60および80℃の恒温槽で保存した場合に,コンクリートのアルカリシリカ反応によって生じる膨張(ASR膨張)に与えるNaOH溶液濃度,保存温度,コンクリートの初期アルカリ含有量(促進試験開始以前にコンクリートに含有するアルカリ量),コンクリートの水セメント比の影響について検討し,以下の結果が得られた。 1.ASR膨張に与える水酸化ナトリウム(NaOH)溶液濃度の影響 ASR膨張に与えるNaOH溶液濃度の影響は保存温度によって異なり,40℃で保存した供試体についてはNaOH溶液濃度が高いものほどASR膨張は小さくなり,80℃で保存した場合にはNaOH溶液濃度が高いものほど膨張率は大きくなった。 2.ASR膨張に与える保存温度の影響 ASR膨張に与える保存温度の影響は供試体を浸せきするNaOH溶液濃度によって異なり,0.5および1mol/lのNaOH溶液に浸せきした場合には60℃で保存したものが最も大きな膨張を生じた。一方,2mol/lのNaOH溶液に浸せきした場合には保存温度が高いものほど膨張率は大きくなり,80℃で保存したものが最も膨張率が大きくなった。 3.ASR膨張に与えるコンクリートの水セメント比の影響 同一濃度のNaOH溶液に浸せきした供試体について,保存温度が高くなるほど水セメント比の相違による膨張率の差は大きくなり,W/Cが大きい方が膨張率は小さくなった。 4.ASR膨張に与えるコンクリートの初期アルカリ含有量の影響 NaOH溶液濃度および保存温度が同じであれば,NaOH溶液に浸せきする前のコンクリートの初期アルカリ含有量が多いものほど膨張率は大きくなった。
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