2007 Fiscal Year Annual Research Report
ASRを生じたコンクリート構造物の残存膨張量測定法の開発に関する研究
Project/Area Number |
18560451
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 保 Tottori University, 工学部, 准教授 (30263487)
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Keywords | コンクリート / アルカリシリカ反応 / 残存膨張量 / 促進試験 / 耐久性 / 維持管理 |
Research Abstract |
本研究は,ASRを生じたコンクリートの残存膨張性を短期間で評価するための促進試験法を開発することを目的として計画したものである。特に,現行のコアの残存膨張量測定法において,試験期間中にコアからアルカリが溶出する問題および,飛来塩分や凍結防止剤などによりASRが助長される環境を考慮して,コアを高温のNaOH溶液やNaCl溶液に浸せきするASR促進試験法について検討を行うものである。 平成19年度には,以下(1〜4)に示す各種要因が,コアのASR膨張に与える影響について検討を行った。また,JCI-DD2およびデンマーク法による結果との比較・検討も行った。 1.アルカリ溶液の種類とその濃度の影響 保存温度の相違によって,NaOH溶液およびNaCl溶液に浸せきしたコアのASR膨張と溶液濃度との関係は異なった。また,NaCl溶液よりもNaOH溶液に浸せきしたコアの方が早期に大きな膨張を生じた。 2.反応性骨材混合割合の影響 供試体を浸せきするNaOH溶液濃度の相違によって,ASR膨張と反応性骨材混合割合との関係は異なった。 3.試験開始時のコンクリートの劣化度の影響 コア採取時のASRによる劣化の進行程度がNaOH溶液に浸せきしたコアのASR膨張に与える影響について,試験開始時の膨張率(初期膨張率)を劣化度の指標として検討を行った。その結果,初期膨張率が大きいほど試験開始後のASR膨張は小さくなった。また,保存温度やNaOH溶液濃度が高くなると,初期膨張率の相違によるASR膨張の差は小さくなる傾向にあった。 4.コア径の影響 コア径の相違により,NaOH溶液に浸せきしたコアの膨張率は異なった。 5.コアの残存膨張量測定法における促進養生条件の提案 平成18年度および19年度の実験結果を総合して検討を行い,ASRによるコアの残存膨張性を早期に判定するための促進養生条件の提案を行った。
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