2007 Fiscal Year Annual Research Report
安全性確保の観点に立った断面修復界面のせん断付着特性及び一体性の評価
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18560452
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宇治 公隆 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科・都市基盤環境工学専攻, 教授 (70326015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 敦 都市環境科学研究科, 都市基盤環境工学専攻, 准教授 (50232765)
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Keywords | コンクリート構造物 / CFRP格子筋 / 吹付けモルタル / 補修・補強 / せん断補強 |
Research Abstract |
CFRP格子筋をコンクリート構造物の側面に配置し、せん断補強を期待する場合の効果について、要素試験、せん断付着強度試験および梁載荷試験により検討した。 要素試験では、基盤コンクリート(300mm×300mm、t60mm)にCFRP格子筋を配置し、モルタルを吹付けて試験体とし、CFRP引の抜き試験を行った。CFRPの種類、すなわち、筋番(CR4,CR8,CR13)ならびに格子間隔(50mm、100mm)と表面処理方法(凹凸状況、プライマーの有無)をもとに、CRFPの破断、コンクリートとモルタルとの付着破壊、吹付けモルタルの割裂引張破壊の3種類の破壊形態が推測できることを明らかにした。 補強対象となるコンクリート構造物と吹付けモルタルの一体性、すなわち、せん断付着強度を把握するため、表面処理方法(ブラスト処理、ディスクサンダー処理)およびプライマーの有無を要因としたせん断付着強度試験を行った。試験体は4ケースで、φ100mmの円柱試験体の外周に吹付けで用いるモルタルを手投入し締固めた。試験体に上下方向の鉛直力を作用させ、コンクリート部とモルタル部の界面におけるせん断付着強度を求めた。なお、せん断付着強度試験より求まった、表面処理状況(ブラスト処理、ディスクサンダー処理)とプライマーの有無の組合せによるせん断付着強度が上記の3種類の破壊形態を支配することを示した。 梁試験体(h500mm×b240mm、L2700mm)を用いた載荷試験を行い、側面に配置したCFRP格子筋のせん断耐荷挙動を明らかにし、せん断抵抗性を向上させるため、部分的に格子筋の剛性を高めることが既設コンクリート構造物のせん断耐力の向上に効果的であることを示した。また、格子筋の種類や表面処理方法で耐力に大きな差が生じることを明らかにした。
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