2006 Fiscal Year Annual Research Report
溶接継手部に発生した疲労き裂のCFRP板による補修
Project/Area Number |
18560474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
鈴木 博之 明星大学, 理工学部, 教授 (20135750)
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Keywords | CFRP / 溶接継手 / 疲労き裂 / 補修 |
Research Abstract |
本研究では、溶接継手として疲労き裂の発生が数多く報告されているウェブーガセット溶接継手を対象とすることとした。平成18年度は、小型試験片では再現しにくい、残留応力や冶金的性質の変化等を含んだ桁高800mm、支間6,000mmの試験桁を作製し、実構造に発生した疲労き裂の補修にCFRP板を適用することの可能性を調査するため載荷試験を行った。なお、この試験体には面外ガセットが8箇所に取り付けられており、合計16箇所の面外ガセットの回し溶接部から疲労き裂が発生するように設計された。 最初に、静的載荷試験を行い、それぞれの継手部近傍の応力分布を調査した。その結果、当然のことながら、載荷点に近いところの継手の応力が鍛も高く、疲労き裂は支間中央近傍の継手から支点に近い継手に向かって発生してゆくものと判断された。 次に、繰返し載荷試験を行い、ウェブーガセット溶接継手に疲労き裂を発生させた。疲労き裂の発生を確認した継手にCFRP板を貼付し、その後、き裂が再発生するかどうかを調査した。 CFRP板の貼付にあたっては、ストップホールとの併用も考えられたが、本研究においては、CFRP板を単独で使用することとした。継手の応力の高い継手においては、CFRP板を貼付しても疲労き裂の進展が止まらず、進展し続けたため、これらの継手におけるCFRP板貼付後のき裂の進展速度を測定し、 CFRP板が疲労き裂進展速度に及ぼす影響について調査している。繰返し載荷試験は現在も継続中であり、可能な限りデータの収集に努めたいと考えている。
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