2006 Fiscal Year Annual Research Report
SPring-8マイクロX線CT実験による粒状体微視力学構成モデルの検証と高度化
Project/Area Number |
18560481
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松島 亘志 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (60251625)
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Keywords | SPring-8 / 粒状体 / マイクロX線CT / マイクロメカニックス / 画像処理 / 構成モデル |
Research Abstract |
本年度は、これまでにSPring-8で行った実験結果の定性的情報をベースに粒状体の微視力学構成モデルの提案を行うと共に、定量的なデータ取得のためのデータ処理手法の開発を行った。 (1)粒状体の微視力学構成モデルの提案 Changらによって提案されている粒状体のマイクロメカニックス構成モデルを用いて、砂の集合体の弾性から破壊に至る、広い範囲の応答を再現するために、本研究では、既往の研究で観察されている微視的な粒子の柱構造の座屈現象を、新たに組み込んだ構成モデルを開発し、そのマクロ応答の妥当性の検討を行った。その結果、座屈を制御するパラメータを変化させることで、粒状体の様々な力学応答が統一的に再現できることが確認された。 (2)実験結果のデータ処理手法の開発 2003年および2004年にSPring-8にて行った、様々な砂のマイクロ3軸圧縮試験および1軸圧縮試験のX線CTデータの自動処理を行う手法を開発した。データは、試験体の3次元粒子構造情報が、変形と共に変化していく膨大な情報であり、粒子形状が不規則であるために、これまで個々の粒子の3次元運動追跡が困難であった。本研究では、互いに接触している不規則形状粒子を自動で分離・同定し、それが次の変形状態におけるどの粒子に対応しているのかを、粒子形状パラメータと配列情報を活用して同定する手法を新たに開発し、その精度の検証を行った。 次年度は、(2)の手法によって実際に得られた粒子運動情報と、(1)のモデルにおける粒子運動の比較を行い、より高精度な構成モデルの開発を行う予定である。また、2007年度前半にはSPring-8での実験申請が採択されたので、新たなマイクロX線CT実験を行う予定である。
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