Research Abstract |
(1)PS灰により改良されたキラの力学挙動の把握と弾塑性モデルによる記述 昨年度より継続して,窯業副産物キラを地盤材料として有効利用するために,破砕・混合・締固めにより得られたPS灰改良土,特にPS灰混合率としてキラ乾燥密度に対し18%,27%,36%(PS18, PS27, PS36)の改良土の物性,力学特性を調べた.さらに,力学試験結果を,土の骨格構造の働きを記述できる弾塑性モデル(SYSカムクレイモデル)の応答によって再現し,PS灰によるキラの改良原理を骨格構造概念に基づいて考察した.以下に結論を示す. (1)PS灰改良土(PS27)は,締固め曲線での最適含水比woptを示し,一軸圧縮強度も286kPaで脱水ケーキキラの11倍以上,養生3週間になると495kPaで約20倍となり,高品質な材料に転化する. (2)PS27は他のPS灰混合率の改良土に比べ,圧縮性は低い. (3)PS27は保水能力を維持し,圧力水頭100cmにおける体積含水率は0.35程度を保持している. (4)PS27へのセメント添加(7.5%)により,養生2週間の一軸圧縮強度が991kPaとなり,圧縮性はPS27よりも低減する. (5)PS灰改良土はキラに比べ構造が高位化し,過圧密が増加し,また構造劣化しにくく,過圧密解消しにくい材料に転化する. (2)キラの団粒化を用いた保水性を有する高透水舗装・路盤材の創出に関する研究 キラの保水性,PS灰の固化作用と保水性を生かし,保水能力をもつ粒集合体の作製を試みた.集合体を構成する粒の強度を上げるため,骨材を混入し,粒の保水性を高めるため骨材の周りにキラ,セメント,PS灰の混合材を付着させ,PS灰の混合率を3種類設定した. (1)一軸圧縮試験結果から,PS27よりも高い強度を示した.ピーク強度における軸ひずみはどの供試体も1%程度で,脆性的な破壊が観察された. (2)セメント代替材としてその半分をPS灰に置き換えた材料においても,一軸圧縮強度は2.7MPaを示し,保水性についても,100cmの圧力水頭でも砂よりも高い保水性を有する.
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