2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全と発電用の圧縮空気製造を行う河川用および海岸用の新型水車の開発
Project/Area Number |
18560495
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石田 啓 Kanazawa University, 自然科学研究科, 教授 (50093183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由比 政年 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (20262553)
斉藤 武久 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (40242531)
楳田 真也 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (30313688)
山田 外史 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (80019786)
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Keywords | 水工水理学 / 海岸工学 / 河川工学 / エネルギー / 小水力 / 水車 / 圧縮空気 / 水理実験 |
Research Abstract |
クリーンな自然エネルギーを利用する地球環境保全用機器開発を目指し,海岸波浪用の波力水車の開発研究を実施した。 1.波力水車は,水平軸から吊り下げた波受け板に働く波力により生じる波受け板の往復振り子運動を,水平軸の一方向回転力に変換するギヤ装置から構成されているが,従来,谷での反対方向運動を反転するためのギヤ軸が片持ち軸となる弱点があった。そこで本研究では,新たにリンク機構を組み込むことにより,片持ち軸部を排除し,大きな波力に耐えうる構造へと改良することに成功した。これにより,次の研究課題である現地海岸用の波力水車の製造が可能であるとの結論が得られた。 2.実験は,金沢大学ハードラボに新たに設置した幅2m,深さ1.8m,長さ24mの造波水槽において,周期1〜5secの波を用いて行った。水深は50cmと固定したため,波受け板寸法は幅1.9mで長さ0.8mとし,板の両側と下側から入射波の水が後方に抜ける状態で行った。波受け板周辺の水は,水粒子の通過に伴い渦が発生し,慣性力と抗力の両者が生じていると推測されたが,波の周期にかかわらず,入射波高の増加に伴い,波受け板の振れ幅は増大し,波力水車に設置したオイルフリー型リニアクランク式コンプレッサーから生じる圧縮空気量は(ほぼ波高に比例して)増加した。 発生空気量は,周期2〜5secで波高15〜30cmの場合に,毎分12〜13.5リットル(大気圧換算)程度であり,極めて良好な結果が得られた。 3.空気製造量をさらに増加させるためには,一層大きな波高の波を受け止め得るように,波受け板の面積を増やせば良いが,むしろ今後の課題としては,波力水車には,設計限界を超える過大な波力から逃れるための安全装置機構を付加することが必要と考えられる。
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